ファーウェイのサブブランドhonorが敵地で新機種を発表、コスパでシャオミに対抗

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ファーウェイのサブブランド「honor」が、新機種の発表会を開いた。

発表会が開催されたのは湖北省の武漢市。国内スマホメーカー大手の一つであるシャオミ(小米科技)の主戦場だ。シャオミの雷軍CEOは湖北省出身で、武漢大学で学び、同社の本部を北京と武漢に構えている。honorが武漢で新機種の発表会を開くのは初めてだ。発表会後のインタビューでhonorの趙明総裁はこの点について問われ、今回の発表会会場がシャオミの主戦場であることを意識したわけではないと述べ、武漢を選んだ理由はアクティブな若者たちが多く、同社のブランドイメージにピッタリだったからだと説明している。また、同時期に武漢大学での講演に招かれていたため、時間的な都合も決め手となったという。

いずれにしろ、honorが今回発表した「honor 20S」は明らかにシャオミの「Mi CC9」に対抗するものだ。

今回、同社は2つの新機種を発表した。一つはフラッグシップ機のhonor20Sで、その設計や主要な機能は女性ユーザーを対象にしたものだ。趙総裁によると、同社社員の約56%は女性だが、同社製品の購入者のうち女性はわずか35%だ。今後は女性ユーザーの比率向上を目指すという。

シャオミのMi CC9同様、自撮り機能はhonor20Sの目玉で、女性が最も注目している機能の一つだ。同機種のインカメラは3200万画素で、現時点では最高レベルの画素数であり、アウトカメラは4800万画素のトリプルカメラ仕様で、AI美顔機能や高感度のポートレートモード、笑顔の自動検出機能なども搭載している。

honor20SとMi CC9の価格帯も近い。honor20Sは6G+128G版が1899元(約2万9000円)、8G+128G版が2199元(約3万3000円)だ。一方のMi CC9は6G+64G版が1799元(約2万8000円)で、6G+128G版が1999元(約3万円)だ。いずれもコストパフォーマンスに優れている。

honor20Sは6.26インチのIPSディスプレイを採用し、SoCは7nmプロセス採用の「Kirin810」を実装。現時点でファーウェイのチップとしてはAI性能が最高であり、世界でも最高水準のSoCの一つだ。ストレージは128Gとなっている。

honor20S以外に、同社はさらにミッドレンジ機種の「Play3」を発表した。Play3は価格帯が1000元台(約1万5000円~)のシリーズだ。目玉となる機能はやはりアウトカメラで、4800万画素のAIトリプルカメラを搭載している。

4Gの時代はすでに終わりを迎えようとしている。honorとシャオミは4G時代に、商品や市場競争からオンライン上に至るまで互いに「口撃」し合い、発表会では批判しあうという、いわばノーガードの殴り合いを繰り広げてきた。今回、honorが武漢で発表会を開いたことについてさまざまな憶測が飛び交うのも無理のないことだ。

多くの調査研究機構のデータによると、中国国内市場におけるファーウェイの存在感は増すばかりだ。市場調査会社Canalysのデータでは、ファーウェイは今年第2四半期に中国で唯一スマホの出荷台数を伸ばし、前年同期比31%増で、市場シェアは38.2%であり、2位のOPPOの倍以上の数字を叩き出した。その一方、シャオミの同四半期の国内シェアは20%まで下落した。ファーウェイはサブブランドhonorでもシャオミを追い詰める存在感を持つようになっている。このような背景の下、双方は相変わらず火花を散らしており、戦いは今後も続きそうだ。
(翻訳・虎野)

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