家電サービスの「扳手」 販売店、修理、設置業者を連携させる総合プラットフォームを目指す

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家電サービスの「扳手」 販売店、修理、設置業者を連携させる総合プラットフォームを目指す

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「扳手(banshou)」は2015 年5 月のローンチされた家電修理エンジニア向けのアプリだ。エンジニア用の業務管理ツールやコンテンツのほか、コミュニティ機能を持つ。また、メーカーと連動する形で、業務の発注、部品の手配などを行っており、第三者S2b2c(供給者「S」→事業者「b」→消費者「c」の事業モデル)の家電サービスプラットフォームを目指している。業務地域は珠江デルタ、長江デルタがメインで、現時点で販売、設置、修理の対応ができる品目はエアコン、冷蔵庫、洗濯機、テレビ、キッチン家電、ウォーターサーバー、空気清浄機やスマート家電などだ。

家電の下沈市場(地方市場のこと)をターゲットに 零細事業者と連携

中国の小売り業全体ではECが急速に勢力を拡大し続けているが、家電販売はまだオフラインがメインだ。2018年の家電販売の63.7%がオフライン経由だった。消費のレベルアップが叫ばれるなか、日々の暮らしを改善する新しい家電製品も郷鎮(農村部と隣接する地方の中小都市)に浸透し始め、オフラインチャネルのさらなる成長を後押ししている格好だ。

郷鎮の消費者はオフラインを好むが、家電のチェーンストアはまだ浸透してきていない。扳手が狙うのがこの市場だ。オフラインの小型家電販売店、修理エンジニア、設置業者など零細事業者を統合することで、地方市場における家電のサプライチェーンを構築し、総合プラットフォームとなることを目指す。

「扳手」のビジネスモデル

S2b2cモデルで末端の業者を活性化

「扳手」のCEO兼創業者・周橋氏によれば、現在中国の地方市場には約500万の零細事業者がおり、そのうち店舗型は10~20%しかない。地方市場における家電製品の販売、修理業務において、零細事業者は重要な役割を果たしている。販売、設置、修理、さらには回収までの全プロセスを担っているからだ。個人事業者や家族経営の店舗は、地方市場の消費者とダイレクトにつながることができるため、リピート率が高く、顧客と良質な関係を築くことができる。一方で、零細事業者には次のような欠点がある。

・ 商品供給が不安定
・ 価格交渉力が弱い
・ 運営力が低い

扳手は、これらの欠点を克服できるという。コミュニティ機能により低コストでトラフィックを獲得し、販売代理店の紹介、業務管理ツールの提供、業務の発注などを行うことで、零細事業者は仕入れルートを確保でき、新規顧客の開拓やリピート率の上昇が実現できる。また、運営面でのサポートもあるという。

「扳手」アプリのスクリーンショット

コミュニティ機能で、零細事業者のためのマーケティング

扳手の発注システムは、零細事業者のマーケティング機能をも向上させている。消費者は事業者の販売やサービスに対する評価を確認することができ、サービスのシーン別、家電ブランド別などで業者を絞り込むこともできる。修理業務では、対応時間の速さでニーズに合ったエンジニアを選ぶことが可能だ。アプリは「5分以内の発注、30分以内の訪問時間予約、24時間以内の出張対応」を保証しており、設置、修理などのサービスはすべて価格が明示されている。こうした手法で、扳手が事業者の代わりに顧客を開拓し、運営業務を行う。

扳手のビジネスプランにおいて、零細事業者は競争力の中核を成す重要な存在だ。1千万近い零細事業者を確保できたため、扳手は地方市場での展開に成功し、サプライチェーン全体をカバーする低コストでのサービスを提供することが可能となった。

扳手の本社は深センにあり、2017年1月、シリーズBでの資金調達を終えた。「天図投資(Tiantu Capital)」パートナーの湯志敏氏によると、周橋氏を代表とする経営陣は、インターネット、世界トップ500企業、国内トップクラスの家電メーカーなどのキャリアを持つという。扳手は現在、次シリーズの資金調達を検討している。
(翻訳:小六)

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