加速する中国低温物流のデジタル化、過酷環境の冷凍倉庫で無人フォークリフトが活躍

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加速する中国低温物流のデジタル化、過酷環境の冷凍倉庫で無人フォークリフトが活躍

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コールドチェーン(低温物流)業界向けソリューションを提供する「粤十機器人(YUESHI ROBOT)」がこのほど、海益投資(Haiyi Investment)が主導するエンジェルラウンドで数千万元(数億~十数億円)を調達した。資金は研究開発や事業拡大に用いられる。

粤十機器人は北京大学、浙江大学、香港大学の博士らのチームによって設立された。AIや環境センシング、深層学習、サーボ制御などの特許技術を産業用無人運転の分野に応用しており、事業範囲はコールドチェーン無人工場、ロボットのクラウドプラットフォーム、コールドチェーン用スマートロボットに及ぶ。

同社は親会社である前海粤十信息技術(Qianhai Yueshi Information Technology)の強みを生かし、国内の冷凍冷蔵倉庫の85%にサービス提供が可能だ。前海粤十は、中国全土の農産品コールドチェーンの物流パークにある容量3500万トン以上の倉庫にサービスを提供し、農産品を扱う最終顧客は21万以上、全国1000本以上の輸送幹線をカバーするなど、コールドチェーンのデジタル化市場において国内トップシェアを誇る。

粤十のデジタルプラットフォーム

冷凍冷蔵倉庫では、人の代わりにロボットを導入することが現実的なニーズとなっている。粤十機器人のJodyan COO(最高執行責任者)によると、コールドチェーン業界では冷凍冷蔵庫内での過酷な作業環境がスタッフの健康被害を引き起こしており、このままではコールドチェーン物流パークでフォークリフトオペレーターが50万人不足し、労働力が枯渇するかもしれないという問題に直面している。

コールドチェーン物流パークが抱えるこれらの問題は、ロボットを導入することで解決できる。無人フォークリフト、自律走行搬送ロボット(AMR)、無人搬送車(AGV)という3種類の物流ロボットをスマート運用すれば、冷凍冷蔵庫内でのパレット積み、保管、仕分け、搬送などの業務をロボットが代替できるのだ。

陳博文CDO(最高デジタル責任者)の話では、前海粤十のスマートAGV運用システムや在庫情報管理システム、分散型制御システムなどを活用したことで、粤十機器人のロボットはコールドチェーン業界に真っ先に参入でき、市場を押さえることができた。

コールドチェーンに関わる無人フォークリフトだけでも、中国には400億元(約8200億円)の巨大市場が存在する。コールドチェーンのマッチングサービスを提供する中国アプリ「鏈庫」によると、国内には常設の冷凍冷蔵倉庫が1万6000カ所ある。各倉庫には平均5台のフォークリフトが必要で、通常は入庫作業用に2台、出庫作業用に2台、入出庫両用や予備用に1台が振り分けられる。そうすると全国の冷凍冷蔵倉庫では8万台のフォークリフトが使用されていることになる。

現時点で、粤十機器人は複数のコールドチェーン物流パークから数百台の無人フォークリフトの受注を獲得している。今後は中国市場に重点を置き、主要提携先と協力しながら、コールドチェーン産業での事業展開を進めていく考えだ。

(翻訳・畠中裕子)

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