新型ファッションソーシャルEC スタイリングサービスを中心にシェア拡大へ

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新型ファッションソーシャルEC スタイリングサービスを中心にシェア拡大へ

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在庫管理は昔からファッション業界の悩みの種となってきた。だがここ数年、在庫代理販売の「愛庫存(Aikucun)」、ソーシャルECプラットフォームの「好衣庫(Haoyiku)」といったS2B2C(供給者→事業者→消費者)型プラットフォームが、ソーシャル化という手段によりこの課題の解決を試みている。

「杭州秘盒網絡科技(Hangzhou Secret Box Network Technology)」が運営する「好荟選(Haohuixuan)」も同じくこのS2B2Cモデルを利用したファッションソーシャルECだが、他のプラットフォームとの違いは、兼業のファッションスタイリストを個人事業者として迎え入れている点だ。

創業者兼CEOの林勇毅氏によると、同社は「選ぶ」というコンセプトを主軸としている。利用者がスタイリングサービスを通じて多種多様な商品の中から自分に合ったコーディネートを選び出し、選択にかかる手間を減らすサポートをしたい考えだ。

林氏はまた、ソーシャルECが発展した昨今、「雲集(Yunji)」や「貝店(Beidian)」などの総合型プラットフォームがすでに登場しているとはいえ、ニッチ市場でのチャンスはまだまだ大きいと指摘。ニッチ市場で勝負するには、十分に差別化されたソーシャル活用型販売モデルの構築が欠かせない。このため、事業者に関しては、他のプラットフォームから流れてきたロイヤリティの低いSNSのWeChat(微信)を利用したビジネスを展開する小規模事業者「微商」などと契約するのではなく、自社のプラットフォームで一から育成する必要があるとの考えを示した。

好荟選が契約している事業者は、ファッション業界のスペシャリスト、ネット上で割と人気のあるKOL(キーオピニオンリーダー)、実店舗のアパレルショップ店員、ファッションに精通した女性といった兼業のスタイリストだ。プラットフォームではソーシャル化された販売メカニズムを採用し、スタイリストの等級制度もある。スタイリストたちは自身のユーザーをプラットフォーム上のフォロワーに変え、彼らの体型、雰囲気、好みに合わせてスタイリングサービスを提供する。

フォロワーも一般ユーザー、スタイリストから招待されたVIPユーザーなどの等級に分けられている。スタイリストの提案を受け入れて発注すると、スタイリストが収益を得られ、ユーザーが購入する商品にも会員割引価格が適用される仕組みだ。

好荟選ミニプログラムの画面

好荟選は一~三級都市に住む25~35歳の若い女性をターゲットとしており、扱うブランドとしてはデザインが豊富で更新の早いファストファッションが7割、アフォーダブル・ラグジュアリーと呼ばれる手頃な価格帯の高級ブランドが3割を占めており、タオバオ(淘宝)から誕生した新興ブランドやデザイナースブランドも含まれる。衣類の他にもアクセサリー、靴、バッグ、子供服、コスメなどを扱っているが、倉庫は設けず、ショップから直接発送する仕組みで、商品の価格差がプラットフォームの主な収益源となっている。

同サービスは今年8月にローンチされ、現時点で100店近くのブランドが出店しており、取扱商品数(SKU)は3000~4000に上る。コーディネートには豊富な品数の確保が欠かせないため、同社は今後も絶えず商品の拡充を図り、将来的にはSKUが数十万単位に達する見込みだという。

好荟選は、現段階では小規模事業者の開拓に業務の重点を置いている。豊富な商品データベース、機能、カスタマーサービス、物流などを活用して個人事業者の販売をサポートし、同時に彼らの顧客をプラットフォームに誘導している。今年中にスタイリストの人数を3~5万人まで拡大する計画で、仮に各スタイリストに10人のユーザーがついた場合、プラットフォームのユーザー数は年内に30~50万人に到達することになる。十分なユーザー数を獲得した上で消費者サイドの運営も強化し、「RED(小紅書)」のようなファッションコミュニティを立ち上げることも視野に入れている。

林氏によれば、ファッションは競争の過酷な1兆元(約15兆円)規模の市場だが、新たなビジネスモデルと新規ブランドとの融合、サプライチェーン改革などの新たなチャンスも現れているという。新たなビジネスモデルとは、ソーシャルネットワーク、コンテンツ、ライブ、ショートビデオなどECの新たな業態であり、若者が徐々に消費の中心となる中で、市場にも新規ブランドが続々と登場する見通しだ。

好荟選はこのようなチャンスに照準を合わせ、小規模事業者が得たユーザーに関する大量の消費データを速やかにフィードバックすることで、サプライチェーンを逆方向からリードし、既存の主流ブランドの在庫一掃や業界の効率向上にも寄与している。また新鋭ブランドに市場でのチャンスを提供する役目も果たしており、今後は自社ブランドや共同ブランドを立ち上げることで、スペインのファッションブランド「Zara(ザラ)」のようなビジネスモデルを構築することも可能だとみられる。

同社のメンバーは約20名で、杭州に本社を構える。林氏は以前「道生資本(Daocin Capital)」の投資ディレクター、女性向けファッションの定期購入型EC「秘盒幻想曲(Box Fantasia)」のCEOを務めていた。他の主要メンバーもファッション、EC業界などの豊富な経験の持ち主だ。
(翻訳・神部明果)

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