MRソリューションが執刀医の「透視メガネ」に、中国が目指す外科手術の新地平

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外科手術の高精度化と低侵襲化が進む現在、手術中の視野や操作空間の狭さにどのように対応するかが大きな課題となっている。MR(複合現実)やAI(人工知能) を活用した医療用ソリューションを開発する中国スタートアップ企業「錦瑟医療(MiDIVI)」の共同創業者、陳亮氏は「MR技術を補助的に用いることで、医師は患者の体内を『透視』し、手術器具を正確に操作できるようになる」と語る。

錦瑟医療は2017年に設立された医療テック企業で、主に整形外科や腫瘍外科向けのMRソリューションを開発している。創業メンバーは、米GEヘルスケアなどの画像診断装置大手や米ストライカーなどの医療機器メーカー出身だ。同社はこのほど、河北省三河市政府などから数千万元(数億円)を調達すると明らかにしたばかり。

同社が開発した手術ナビゲーション用MRゴーグルは、手術部位のホログラフィック立体映像を現実空間に投影する。医師はこの「透視メガネ」をかけることで、患者の骨格や血管、神経などを確認し、各部位の正確な位置を把握できる。

MR手術のイメージ(「錦瑟医療」公式サイトより)

中国では現在のところ、手術中に利用するMRソリューションが管理監督機関の認証を取得した事例はなく、MR技術の活用は手術前の医師と患者の意思疎通やリモート診療などにとどまっている。陳氏によると、海外の管理監督機関は新技術の臨床応用に積極的で、MRを活用した医療機器が認証された事例は2022年末時点で20件余りに上るという。

骨折した部位にボルトを打ち込んで固定する際、低侵襲手術では直接目視できないため、これまでは医師の経験と頻繁なX線撮影に頼るしかなかった。陳氏は「MR技術を活用することで、医師はボルトを打ち込む場所を正確に確認し、手術の精度を高められる。患者のX線被曝も減らせる」と説明する。MRソリューションを利用すれば、ボルトの打ち込みに1回で成功する確率が従来より20〜30%高まることに加え、X線撮影の回数も従来の20〜30回から1〜2回に減り、完全になくすことも可能だという。

錦瑟医療が開発した手術ナビ用MRソリューションは、2018年に臨床研究での使用が始まり、22年末には提携する医療機関が約40カ所に達した。24年には、MRを活用した医療機器としては中国で初めて第3類医療機器の認証を取得する見込みとなっている。

手術ナビ以外にも、同社はリモートでの診療や手術指導を可能にするホログラフィック遠隔医療システムを開発しており、将来的には手術ナビの補助として販売する方針だという。

また、自社製品の開発・販売だけでなく、オープンなエコシステムの構築も進めている。外科向けの革新的なデジタル化ソリューションの創出に向け、業界のリーディングカンパニーと協業し、研究開発費の獲得やビジネスチャネルの開拓を目指す。第3類医療機器の認証取得が見込まれる2024年、同社は事業の収益化でブレイクスルーを果たすだろう。

(翻訳・田村広子)

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