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9月19日、東南アジアで勢力を伸ばす「Grab」を含む主流のライドシェアプラットフォームを統合し、海外で乗車予約事業を展開している「携程境外打車(Ctrip海外乗車予約システム)」が新サービスをローンチした。このサービスでは、乗車予約システムに組み込まれた「百度地図(バイドゥ地図)」から、中国人観光客がワンクリックで乗車を予約することができ、24時間対応のオンライン中国語カスタマーサービスとドライバー向けのオンライン通訳サービスも提供されている。
配車サービスを発展させるため、今年ライドシェアを手掛ける複数の業者による共同の乗車予約システムが誕生している。
独自の配車サービスを展開していた「美団打車(Meituan.com)」も他社と共同の乗車予約というスタイルに切り替え、アセットライト経営により配車サービス大手の「滴滴(DiDi)」に挑戦を続ける。広州、武漢、成都の「滴滴打車(DiDi)」オープンプラットフォームにも、「如祺出行(Ruqi mobility)」、「東風出行(Dongfeng)」、「秒走打車」など地元の配車業者が加入した。一方、最も早く共同の乗車予約モデルを手掛けた「高徳地図(AutoNavi)」のネット車両予約事業はすでにある程度の規模と優位性を備えている。
7月に運営が始まった「携程打車」は、中国国内に展開している滴滴、美団、「哈囉(Hello Bike)」や高徳と異なり、主に海外市場をターゲットとしている。携程から提供されたデータによれば、現時点で携程の海外乗車予約業務はすでに百度地図に表示されている世界56か国、886都市をカバーしており、2019年夏の乗車予約オーダーは前期比で192%増、前年同期比で385%増となっているという。
携程の2019年第2四半期の財務報告書によれば、乗車予約を含むビジネストラベル事業の営業収入は3億900万元(約46億6000万円)、前年同期比で21%成長しており、非ツアーリゾート事業のうち最も稼いでいる事業の一つとなっている。
その他、注目すべき点は携程打車が今回選んだのが2016年に海外進出を始めた百度地図だということだ。
これまで百度地図と高徳地図は、大まかにみるとバイドゥ(百度)とアリババにそれぞれ採用され、地図ナビゲーションとして自動車メーカーに提供されてきている。高徳地図はすでに事業転換を始めており、乗車予約プラットフォーム、人と情報のエコシステムプラットフォームといった消費者向けサービスへと舵を切っている。またコンテンツ指向の音声生成の試みを行っており、アリババの地域密着型サービスとの連携も強化している。
今回、百度地図が携程の共同乗車予約システムに参加することは、百度地図が乗車予約事業へ方向転換を図る可能性もあることを示唆している。しかしながらまだ慎重な姿勢を崩さない百度地図は、依然として焦点をナビゲーションにおいている。この点について百度地図事業部の総経理である李瑩氏は「乗車予約プラットフォームであれ、企業向け、消費者向けであれ、ユーザーのニーズを満たすため、私たちは核となるものを先に作り上げなければならない」と語っている。
(翻訳・桃紅柳緑)
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