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中国では建設業が二酸化炭素(CO2)排出の主要分野の一つとなっている。中国建築省エネルギー協会が発表した「2022年版中国建築エネルギー消費・CO2排出研究報告」によると、2020年の中国の建築物のCO2排出量は50億8千万トンで、CO2排出量全体の50.9%を占めた。
中国建築科学研究院の徐偉総工程師(チーフエンジニア)は、「緑の建築(グリーンビルディング)」の発展は建設業のCO2排出削減を実現する有力な措置であり、これからの都市・農村建設でカーボンニュートラルを実現する上で必ず通らなければならない道だとの認識を示した。
温度・湿度を一定に保つことでエネルギー消費を低減する建築物、組み立て作業の比率が9割を超えるプレハブ建築物など、中国各地でグリーンビルディングが誕生しつつある。
「建築の省エネとグリーンビルディングの発展に関する第14次五カ年規画(十四五、2021~25年)」では、25年までに全国で3億5千万平方メートル以上の既存建築の省エネ改造を完了し、超低消費エネルギー、ほぼゼロに近い消費エネルギーの建築物を5千万平方メートル以上建設するとしている。
江蘇省無錫市ではグリーンビルディングの建築面積が今年上半期(1~6月)に680万平方メートル増加し、CO2排出量を22万トン以上削減した。同省の蘇州市相城区の蘇州高鉄新城(蘇州高速鉄道ニュータウン)には「都市・農村建設のカーボンピークアウト・カーボンニュートラル先導区」が設けられ、2.25平方キロメートルの範囲でグリーンビルディング関連プロジェクトを重点的に開発している。省内では建設済みのグリーンビルディングの面積がすでに10億7千万平方メートルを超え、全国トップクラスとなっている。
北京市は十四五期間中に、3千万平方メートルに及ぶ公共建築物の省エネ・グリーン化改造を目指す。上海市は意見書を発表し、新たに建設される公共建築物、住宅、工場が再生可能エネルギーを1種類以上使用するよう求めた。広東省は25年までに、都市部の新築建築物にグリーンビルディングの基準を全面的に適用する方針を打ち出している。
中国建築省エネ協会の倪江波副会長は「都市・農村建設の急速な発展に伴い、エネルギー需要が持続的に増加している。建築分野の省エネ・炭素削減の推進に向け、自発的に行動しなければならない」とし、建築物の消費エネルギーを減らすとともに、建築物の電化率を高め、高い割合で再生可能エネルギーを使用し、建築物の運営管理における消費エネルギーのCO2排出量実質ゼロを実現する必要があるとの見解を示した。(新華社南京)
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