Uberとボルボ 初の自動運転車を量産 実用化に向けての課題は

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最近、無人運転によるモビリティサービスの定着が進みつつある。

「ウーバー(Uber)」が「ボルボカーズ(Volvo Cars)」との協力により製造した初の量産型自動運転車が完成した。今年6月、ボルボはUberとの共同開発で自動運転車「XC90」を発表。同モデルはボルボの安全技術が採用されているため、Uberが開発した自動運転システムの組み込みがしやすく、ネット配車業務でユーザーに自動運転サービスを提供することもできる。ボルボによると、同モデルは今年下半期に大規模生産に入る予定だという。

自家用車向けの自動運転車の開発に進展がみられない一方、一般向けのロボットタクシーサービスが話題に事欠かないのはなぜか。

技術的に、一部の企業やソリューションプロバイダーは車両の自動運転能力を向上させる力を既に付けているが、実際の操作においては問題がまだ多い。自動運転の乗用車開発のコストは非常に高く、完成したとしても車両価格は極めて高価となり、果たしてユーザーが本当に購入したいと思うかどうか、現段階では不明だ。

また、L2クラスの自動運転補助技術は既に多くの車に用いられているが、時折識別が不正確になるという問題が発生し、それに起因する事故も生じている。このためにユーザーは自動運転補助技術よりもさらに高度な自動運転に対して消極的になっている。さらに、自動運転車で車道を走行するとしても、安全責任の所在に関する政策や規定が未整備であるうちは、事故が生じた場合、責任を追及するのが難しいという問題もある。

客観的に見て、各大手自動車関連企業には自動運転の開発において互いに助け合う傾向が見られる。例えばフォードと上海大衆はフォードの自動運転部門である「Argo AI」で自動運転の開発を共同で行っている。希少な例としては、ドイツの自動車メーカーのアウディが、ダイムラーとBMWが以前に結成した自動運転技術を開発するアライアンスにこのほど加入し、自動運転の莫大な研究コストを分担して負担すると発表した。

モビリティサービスのシーンでは、コストと安全の問題は比較的解決しやすい。その主な理由は第三者プラットフォームを引き入れたことにある。

モビリティサービスでは、輸送力のリソースが限られており、ドライバーの補助金に対する依存度も長期にわたり高かったため、Uberや「滴滴出行(Didi Chuxing)」といった大手企業でも完全な黒字化は達成できていない。自動運転のソリューションではドライバーは必要ないため、モビリティサービスにおけるこうした問題点は解決される。また、自動運転車は大量にサービスを提供できるため、収益も見込める。安全上の問題においては、第三者プラットフォームの参入を促しており、責任の所在の問題も今後解決のめどが立つことだろう。

現在、Uberと滴滴出行はそれぞれ自動運転のテストに入っており、車両製造の面で実質的な進歩を遂げている。Uberは、自動運転車がラインオフしたことに加えて、さらにテキサス州での自動運転車のテスト実施が発表された。滴滴出行は自動運転関連の子会社を既に分社化し、経営陣の人選も終わっている。さらに同社は上海市が公布したスマートカーの旅客運転許可証を取得している。
(翻訳・虎野)

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