セールスプラットフォーム「循環智能」が資金調達、AIによる会話分析で顧客の「心の声」聞く 

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セールスプラットフォーム「循環智能」が資金調達、AIによる会話分析で顧客の「心の声」聞く 

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AIセールスプラットフォーム、スマートセールスシステム、AI対話分析を提供する「循環智能(Recurrent)」はこのほど、シリーズAの資金調達を完了したと発表した。リード・インベスターは「真格基金(Zhen Fund)」、コ・インベスターは「金沙江創投基金(GSR Ventures)」、「靖亜資本(Eminence Ventures)」、「華山資本(WestSummit Capital)」。同社はプレシリーズAとエンジェルラウンドでも靖亜資本と華山資本から資金を調達しており、調達額は累計で1000万ドル(約10億7000万円)に上る。調達した資金は人材採用、製品イノベーション、業務拡大などに充てられる。

循環智能は、金融や教育など非インターネット業界で構造化データが不足していることに目をつけた。既存の顧客関係管理(CRM)システムに蓄積されたデータは、電話やSNSで顧客とやり取りした内容を手入力した非構造化データで構成されているため、データの品質確保や正確性の検証が困難な上、記録が多過ぎて日々の顧客対応件数にも影響を及ぼす。また、非構造化データにより、企業はインターネット業界のような質の高いスマート化を実現しにくくなっている。

企業のセールス部門を悩ませるこうした問題に対し、循環智能はAIを活用したセールスプラットフォーム製品として、AIによる対話分析技術に基づくセールスシステム「交易磁帯(Deal Tape)」をリリースした。このSaaSインテリジェントセールスシステムは、企業が顧客とのやり取りを記録した音声とテキストの非構造化データを直接構造化し、さらに機械学習を通じて見込み客のリダイレクト、カスタマーボイスの分析、サービスの品質検査という機能につなげることが可能となっている。非インターネット業界がデータの構造化を一足飛びに実現し、ビジネスインテリジェンスを活用できるようにするのが狙いだ。

同社の顧客は、オンライン教育の「新東方在線(Koolearn)」、家庭教師サービスの「軽軽家教(Changingedu)」、オンライン教育の「作業幇(Zuoyebang)」、アウトソーシングサービスの「錦創股份(Jin Chuang Corp)」、P2Pレンディングの「你我貸(niwodai)」、「人人貸(renrendai)」、クレジットカード管理プラットフォームの「51信用卡(51クレジットカード)」、クラシファイド広告の「58同城(58.com)」、求人情報の「猎聘(liepin)」など様々な業界に広がっている。

交易磁帯は、顧客とのやり取りを記録したデータを構造化することで得られた無数の特徴を見込み客に応じてソートし、顧客開拓や顧客対応をサポートする。顧客サービスの品質検査では、タグ付けの規則性にそぐわないデータからリスクポイントを探し出す。

また、パブリッククラウドに加え、SaaSとして顧客のシステムにデプロイすることにも対応し、顧客が持つ録音システムやCRMに直接リンクできる。また、顧客が使用するアカウントと機能の数に応じてシステムの年間使用料金を徴収する。

同社は、音声認識、言語処理、データマイニングに関して全般的な技術開発力を誇る。EC業界に関する膨大なタグ付きデータの蓄積も大きな競争力となっている。

製品の有用性について共同創業者の陳麒聡CEOは「実績を概算したところ、見込み客からの注文を10%以上増やし、品質検査の効率を15倍に引き上げた。企業の販売前から販売後、契約更新、再購入に至るフロー全体の効率を向上させられた」と説明した。

今後は、コールセンターシステムや顧客サービスシステム、SNS、CRMで記録される非構造化データに加え、オフラインで新たに発生する顧客対応の非構造化データも視野に入れ、オンラインとオフラインの融合を進めて人とコンピューターの最適な結びつきを目指すという。

同社の主要メンバーは清華大学、米カーネギー・メロン大学など世界の名門大学出身だ。米グーグルのAI研究グループ「Google Brain」、米フェイスブックのAI研究チーム「Facebook AI Reserch」、米マイクロソフトの研究所「マイクロソフト・リサーチ・アジア」などでエンジニアやソリューションコンサルタントとして勤務した経験を持つ。

循環智能の創業メンバー。左から掲発COO、張宇韜CTO、陳麒聡CEO、AI及びプロダクト責任者の楊植麟氏

(翻訳・神戸三四郎)

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