期待のナトリウムイオン電池、マンガン系材料で量産目指す。中国新興、蓄電システムや電動二輪車に活用

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期待のナトリウムイオン電池、マンガン系材料で量産目指す。中国新興、蓄電システムや電動二輪車に活用

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マンガン系の正極材料を使ったナトリウムイオン電池を開発する中国企業「安鈉能源(Anna Energy)」が、エンジェルラウンドで数千万元(数億円超)を調達した。資金は研究開発や生産能力の拡大、市場開拓などに用いられる。

安鈉能源は「電動バイクのふるさと」と呼ばれる江蘇省無錫市で2023年2月に設立された。主力製品のナトリウムイオンは、集中型蓄電システムや低速電動車、電動二輪車などに活用される。同社はマンガン酸化物正極材料やリン酸ポリアニオン正極など、コア材料の分野で独自技術を確立し、特許も数多く保有している。

エネルギー改革の必要性やリチウム資源の不足などを受けて、ナトリウムイオン電池の産業化が急速に進んでいる。ナトリウムは地殻中に豊富に含まれる安価な物質で、埋蔵量やコスト面で大きな強みを持つ。現在のところ、正極材料に層状酸化物やポリアニオン系化合物、プルシアンブルー類似体などを使用したナトリウムイオン電池が主流となっている。

安鈉能源が正極材料に選んだのはマンガン系酸化物だ。ほかの材料に比べてコストやエネルギー密度、環境負荷の面で優れていることに加え、地殻中に豊富に存在するマンガンは産業化を進めるうえでも有利になる。

しかし、マンガン系酸化物をナトリウムイオン電池の正極材料に使用すると、物質の構造にゆがみが生じる「ヤーン・テラー変形」が起こり、電池のサイクル寿命に深刻な影響が及ぶ。安鈉能源は、材料内部の結晶構造の配向をコントロールすることで、変形を低減し、マンガン系材料の構造安定性を高めることに成功、ヤーン・テラー変形の影響を排除してサイクル寿命を延ばすことができた。

製造工程にもこだわりが光る。新設計の焼成炉を採用したことで、「焼成に必要なエネルギーを従来型の連続炉に比べ10~20%低減し、研磨効率を一般的な装置の50倍に引き上げられた」と安鈉能源の創業者・周桂栄CEOは話す。

同社が独自開発したナトリウムイオン電池は顧客による検証段階に進んでおり、すでに複数の大手二輪車メーカーとの協業が決まっている。また、電池セルも小ロットの試験生産を終え、2024年中に量産・出荷を予定している。

安鈉能源の産業化チームは経験豊富な大手電池メーカー出身者で構成され、開発チームは南京理工大学や南京工業大学などの出身者が中心となっている。共同創業者でチーフサイエンティストを務める南京理工大学の夏暉教授は、ナトリウムイオン電池など電気化学・蓄電材料の分野で実績があり、国際的に権威ある学術誌に190本以上の論文を発表しているほか、米スタンフォード大学とエルゼビア社が2022年に発表した「世界のトップ2%の科学者」に選出された。

*2024年2月14日のレート(1元=約21円)で計算しています。

(翻訳・畠中裕子)

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