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AIGC(AI生成コンテンツ)プラットフォームを運営する「Nolibox(計算美学)」がこのほど、シリーズAで数千万元(数億円超)を調達した。同業の大手数社が出資に参加し、尖晶資本(Spinel Capital)、GRIP Capitalがコ・インベスターを務めた。
Noliboxは2020年12月に設立され、企業向けにワンストップの生成AI画像ソリューションを提供する。創業チームのメンバーは世界のトップクラスの大学出身で、創業者の徐作彪CEOは清華大学で学士と修士の学位を取得している。
画像生成AIは、大規模言語モデル(LLM)が火をつけた世界的ブームの筆頭だ。代表的なものにはOpenAIの「DALL-E2」やStability.AIの「Stable Diffusion」などがあり、「Midjourney」はわずか数十人のチームで2023年に2億ドル(約300億円)以上を売り上げた。今やグーグル、マイクロソフト、TikTokのバイトダンス(字節跳動)、アリババ、百度(バイドゥ)など大手企業は画像に対応できるLLM開発の進捗を競うように発表し、産業全体が急速にビジネス化の段階に入っている。
Noliboxは無限キャンパス、ポスターデザイン生成AI、マーケティング素材生成AIなど一連の画像生成AIをリリースしている。徐CEOによると、過去数年のプロダクトでNoliboxは生成AIの基盤となるデザインモデルとアーキテクチャを構築してきた。画像生成AIが爆発的に流行する以前から、同社は高品質の平面デザイン生成分野ですでに多くの経験があり、例えば1クリックでのポスター生成、アダプティブレイアウト、自由なサイズ変更、スマート文案作成、スマート編集、参考画像と同じスタイルの画像生成、メタ言語の設計などの技術を保有する。LLMの登場でNoliboxのプロダクトとサービスはさらに豊富になったという。
徐CEOは「LLMのおかげで既存の生成AIへのインプットが簡単になった。一方、Noliboxが独自開発したアルゴリズムやアーキテクチャは、生成技術などを産業で使える状態に引き上げた」と話す。例えば、Noliboxのデザインモデルを活用すれば、たった1枚の画像から他のデザイン要素と組み合わせた画像を生成することができ、その後の編集や処理がしやすいマルチレイヤーやマルチフォーマットにも対応している。
Noliboxはディープラーニングを用いた合成アルゴリズムの登録の届け出を済ませており、コンプライアンスを遵守したうえで、高品質で使いやすく、商業利用が可能なソリューションを企業に提供する。
2023年に既存の製品ラインナップとソリューションをバージョンアップし、ECとマーケティング分野に対応できるようにした。徐CEOは、ECとマーケティングでは画像を頻繁に使用するうえ標準化も比較的簡単だとして、AIGCの用途として成熟したビジネスシーンだとの見方を示す。そのうえで、AIGC を活用したEC+広告素材生成、AIGCによるブランドマーケティングおよびトラフィック運用などのサービスを提供していると話した。
Noliboxは世界トップ500社にランクインした複数の企業を顧客に抱え、世界的な化粧品やセルフケア製品のグループ、中国農業銀行、家電大手ハイアールグループ傘下の海爾智家(ハイアール・スマートホーム)、アリババ傘下のB2Bサイト「1688.com」などにもサービスを提供している。
今後の計画について、ECとマーケティングの二大シーンをベースに事業化を強力に推し進め、重要な法人ユーザーとの協力を強化し、より価値の高いソリューションを提供していくという。
*2024年2月13日のレート(1ドル=約150円、1元=約21円)で計算しています。
(翻訳:36Kr Japan編集部)
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