天然ダイヤに匹敵する輝きを3分の1の価格で。ラボグロウンダイヤの「The Future Rocks」に注目

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天然ダイヤに匹敵する輝きを3分の1の価格で。ラボグロウンダイヤの「The Future Rocks」に注目

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ラボグロウンダイヤモンド(Lab-Grown Diamonds)は日本では合成ダイヤとも呼ばれ、従来は主に工業分野で使われていたが、ここ数年でアクセサリー分野への応用が進み、ラボグロウンダイヤを取り扱う大手宝飾メーカーのサブブランドや新興ブランドが次々と登場している。

ラボグロウンダイヤは、天然ダイヤの結晶条件や生成環境を人工的に再現して合成したもので、天然ダイヤと完全に同じ物理的・科学的・工学的特性を示す。モアサナイトなどの人工ダイヤとは、本質的に異なる。価格は天然ダイヤの3分の1程度で、高価な天然ダイヤと安価な模造ダイヤの中間を求める顧客層がターゲットとなる。

2019年に香港で設立された「The Future Rocks」(以下、TFR)は、ラボグロウンダイヤやラボグロウン・ジェムストーンに特化したブランドを集めたプラットフォームで、21年に自社サイトを開設した。現在は、ラボグロウンジュエリー専門のブランド20社余りがドイツやベルギー、スペインなど世界各地から集まる。すでに香港に加えて上海にも拠点を置き、サービス開始から2年ほどで劇的に業績を伸ばしている。

創業者の曽冠雄氏は、現在のアクセサリー業界の環境では、小さなブランドが自分だけの力で注目を集めるのは難しいと指摘する。だからこそ、ブランドを取りまとめる力のあるプラットフォームが、消費者にもブランドにも必要とされているのだという。一方、プラットフォーム側も多くのデザイナーやブランドを集めなければ、消費者を引き付けることはできない。

TFRに出店するスペインのブランド「REVER」のピアス

TFRは、オリジナルのデザインに魅力があり、かつラボグロウンジュエリーを専門とするブランドに注目した。オーダーメードでアクセサリーを製作するデザイナーズブランドも多い。TFRはプラットフォームと販売チャネルの役割を担い、顧客の注文をブランド側に伝える。完成したアクセサリーは、ブランド側が顧客に発送する仕組みとなっている。

TFRは2023年12月、ダイヤモンド世界最大手デビアス傘下のラボグロウンダイヤブランド「Lightbox」と提携し、「Lightbox Joy」コレクションを打ち出した。ネックレスやピアス、ブレスレットなどのコレクションは、TFRがデザインし、Lightboxの色とりどりのカラーダイヤをあしらって「すべての人に自分の個性を表す色を」との願いを込めた。

「Lightbox Joy」コレクション

TFRを代表するオリジナルの指輪「The Ring」は、デザインから製作、自社サイトでの販売までを自社で完結しており、2023年11月に上海で開かれた「中国国際輸入博覧会」で世界初披露され、注目を集めた。創業者の曽氏が最も愛する作品でもあるという。

The Ringのアーム(輪の部分)には約60グラムのラボグロウンサファイヤを使用し、手作業での彫り込みと研磨に59時間をかけ、48面からなる立体的かつ透明感のある造形をつくりだした。メインストーンは約2グラムの透明度の高いラボグロウンダイヤ、クラウン(石座)は18Kホワイトゴールドとなっている。

「The Ring」

TFRの客単価は海外で伸び続けており、米国では1000ドル(約14万8000円)に迫る勢いだという。曽氏は「米国は世界で最もラボグロウダイヤが受け入れられている市場で、新たに誕生したブランドの数も多い。地球環境に配慮するサステナビリティ(持続可能性)に対する消費者の意識も高い」と話す。

進出したばかりの中国本土市場では、自社のスタイルをどのように表現するか、方向性を探っているところだという。現在は、越境電子商取引(EC)サイト「天猫国際(Tmall Global)」を中心に、SNSアプリ「微信(WeChat)」のミニプログラムやショート動画プラットフォーム「抖音(Douyin)」、ソーシャルEC「小紅書(RED)」などを活用し、オンライン事業を展開している。

さらに、世界各地でオフライン事業も展開しており、2023年1月には東京の伊勢丹新宿店に同社初のポップアップストアを出店。続いて同年5月には、上海で中国本土初のポップストアをオープンした。2024年も、中国や海外の各地でポップアップストアを開設していく方針だという。

*2024年2月5日のレート(1ドル=約148円)で計算しています。

(翻訳・田村広子)

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