米IPOで1億ドル調達予定の「有道」、ネットイース(網易)傘下初の上場企業となるか

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米IPOで1億ドル調達予定の「有道」、ネットイース(網易)傘下初の上場企業となるか

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10月1日未明、中国インターネット大手「網易(ネットイース)」傘下の「有道(youdao)」が、新規株式公開(IPO)に向け米証券取引委員会(SEC)に証券登録届出書を提出した。ティッカーシンボルは「DAO」で、シティグループ、モルガン・スタンレー、中国国際金融(CICC)等が引受証券会社となる見込みだ。IPOが実現すれば、有道は網易傘下で初の上場企業となる。

有道は今月25日にニューヨーク証券取引所(NYSE)への上場を目指しており、もともと最大3億ドル(約320億円)の資金を調達する計画だったが、10月16に更新された目論見書では、同社は、ADSの新規発行数は560万株で、1株あたりの価格は15〜18ドル(1630円〜1960円)に設定している。この場合、有道が調達する額は8400万〜1億ドル(90億円〜110億円)となる。

有道の株主構成

調達した資金は、技術及び商品開発への追加投資、ブランディング及びマーケティング、ターゲット層の拡大、運営資金の補充に充てられる予定だという。

オンライン学習の有料ユーザーは順調に増加

有道の売上構成比を見ると、オンライン学習コンテンツ「有道精品課」やスマートデバイス等のスマート教育事業が57%と最も多く、次が広告収入となっている。「有道精品課」の今年上半期の登録ユーザーは121万人、うち有料ユーザーは33万8000人で、K12(幼稚園~高校3年生)の有料ユーザーは前年同期比80.8%増の10万5000人を記録した。

有道スマート教育事業の主な内容

有道のスマート教育事業は、主に以下の4つから構成されている。

■ K12を対象にした有料 のライブ授業
■ 辞書、プログラミング教材等の 教育ツール
■ 翻訳機、ペン型スキャナー辞書、デジタルペン等のハードウェア
■ ニューラル機械翻訳(NMT)、音声認識、作文自動校正システム等のソフトウェア

2019年上半期における有道の平均MAU(月間アクティブユーザー)は1億500万人。前年同期は9310万人、2018年平均は9640万人、2017年平均は7370万人であった。

有道のMAU推移状況

また、有道は2016年4月にはインド、インドネシア、メキシコ、ブラジル、中東、北アフリカ向けに翻訳・辞書アプリ「U-Dictionary」をリリースした。インドではGoogle Playで5000万ダウンロードを突破し、教育アプリ部門のランキング2位を獲得している。

売上高成長率は60%超だが、粗利率は約30%の低水準

2019年上半期、売上高は前年同期比67.7%増の5億4850万元(約82億円)、粗利益は1億5890万元(約24億円)となったが、販売費30%、研究開発費25%、管理費5%などを引いた結果、営業損失と純損失ははそれぞれ1億6210万元(約24億円)、1億6790万元(約25億円)となった。損失の主な原因は粗利率が約30%という低水準にとどまっていることだ。

有道の主要財務データ
有道の財務データ一覧

有道の財務データをみてみよう。現金及び現金同等物に関しては、2019年上半期は5231万7000元(約7億8400万円)、2018年は4173万8000元(約6億2600万円)、2017年は3983万1000元(約6億円)と、いずれも決して高い水準とは言えない。

キャッシュフローに関しては、ネットイースグループからの短期借入金が8億7800万元(約131億7000万円)。2019年上半期は経営活動によるキャッシュアウトが2億元(約30億円)と多く、前年同期の3900万元(約5億8500万円)、2018年の1億元(約15億円)、2017年の8713万8000元(約13億円)をいずれも上回った。

一方、資金調達によるキャッシュインは7564万3000元(約11億3500万円)で、前年同期の4億6600万元(約69億9000万円)、2018年の4億7500万元(約71億2500万円)、2017年の1億800万元(約16億2000万円)をいずれも下回った。

上場後は運転資金の不足が課題

2018年4月、有道はシリーズAで優先株式を681万4800株発行し、4億3000万元(約64億5000万円)を調達している。

注目すべきは、有道が常に巨額の運転資金を必要としており、運転資金の不足に陥った年もあるという点だ。今後、このような事態が再び起きれば、事業運営、流動性リスク、財務状況、業績等に一定の影響を及ぼす可能性がある。

有道が提出した証券登録届出書には、「資金状況や資産・負債の変化により、当社の運転資金(流動資産の総額から流動負債の総額を引いた額)は、2017年-9億7490万元(約146億2300万円)、2018年-7億530万元(約105億8000万円)、2019年上半期-8億500万元(約120億7500万円)である」と記載されている。

2019年6月30日現在、有道で働く講師は112名(専属25名、兼業87名)、助手は129名おり、従業員の総数は1142名だという。

有道の人件費構成

(翻訳・桃紅柳緑)

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