中国ベンチャーの動画生成AI、4K動画で巨大のショートドラマ市場に挑む

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中国ベンチャーの動画生成AI、4K画質で巨大のショートドラマ市場に挑む

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OpenAIの動画生成AI「Sora」の登場は、AI動画業界に火をつけた。

英Stability.AI はすぐさま「Stable Video Diffusion」のベータ版を公開し、米Pika Labsも口の動きに音声を合わせるリップシンクが可能な「Lip Sync」と、コンテンツの内容に応じて自動で音声を生成する機能を直ちに発表した。またイスラエルの「Lightriks」が発表した「LTX Studio」は、動画生成・編集・ナレーションまでをオールインワンで可能にする映画製作プラットフォームというこれまでになかったスタイルだ。

動画生成AIで注目の米「Pika」が約80億円調達。創業者の父の中国企業が関係を噂されて株価急上昇

中国の企業も続々とこれに続いている。

各種のAI技術開発に取り組む「七火山科技(Seven Volcanoes)」は3月5日のカンファレンスで4K画質の生成動画を上映し、参加者からは驚嘆の声があがった。使用された動画生成AIの「Etna」は、動画の長さを15秒に伸ばしただけでなく、60fpsという超高フレームレートを実現、動画をより滑らかにし、視聴体験を向上させた。

Etnaはすでに公開されている他のモデルと比べ、動画の長さ、解像度、いきいきとしたディテール、言語理解度のいずれもが勝っている。

テキストによる動画生成にとって非常に重要なのがテキストプロンプトだ。例えばSoraの場合、キャラクターの動きや人物設定、役柄、さらには表現してほしい感情や雰囲気までプロンプトに含める。テキストプロンプトを入念に作りこめば、期待していたとおりの動画を生成することができる。

他のモデルと同様、Etnaを支えるアーキテクチャは、入力するテキストに対する深い理解に重点を置いている。Soraの成功を参考に、Etnaはテキストの情報をより正確に捉えて動画に変換できるようになった。こうして生成された動画はテキストの意図に忠実であるだけでなく、細かな感情や情景を巧みに表現するものになる。

生成されたビクトリアカンムリバトの動画

ショート動画制作を一変させるツール

2024年のインターネット業界で最もホットなプロダクトといえば、やはりショート動画だろう。

七火山科技はEtna以外にも、動画編集AI「LavaAI」や動画プラットフォーム「miniTV」、画像分解コンテンツ生成プラットフォーム「Bromo」など多彩なツールを展開している。

LavaAIは深層学習とAIアルゴリズムによって効率的で革新的な動画編集機能を提供するショート動画吹き替えシステムで、登場人物の顔を入れ替えたり、セリフのアフレコ、字幕翻訳、背景の変更などが可能だ。

miniTVはAIショートドラマコンテンツとコンテンツ検索プラットフォームを組み合わせた、海外向けのショートドラマ配信プラットフォームだ。

Bromoは画像分割ツールで、画像から新たに最高10Kという高解像度の画像を生成でき、ポスター制作などビジネス用途のレベルを満たしている。

七火山科技はショートドラマを制作する大手企業からも注目されている。すでに中国スマートフォン大手の小米集団(シャオミ)とAI動画制作で提携し、ショート動画の制作や海外でのショートドラマ現地化、台本制作、動画の最適化などの豊富な経験を生かしサポートすることで合意した。また東南アジアで人気のショート動画アプリ「Snack Video」とも協力し、先端AI技術を使ってコンテンツの現地化を進め、海外のユーザーに豊富なショートドラマを提供する。

動画投稿アプリTikTokやInstagramの「Reels」、画像共有アプリ「Snapchat」など、ショート動画を制作できる数々のプラットフォームの登場により、ショート動画の人気はうなぎ上りだ。今やデジタルエコシステムにおいて最も受けがよく、最も重要なコンテンツのひとつとなった。関係者の多くがショート動画はオンラインコンテンツの未来だと認識している。なかでもショートドラマは、今年の市場規模が500億ドル(約7 兆6500億円)を超えるとみられる。昨年中国から海外へ進出したショートドラマはすでに一大ブームとなり、大きな収益が見込める新たなブルーオーシャンとして、市場規模は約360億ドル(約5兆5000億円)にまで拡大する可能性があるという。七火山科技の可能性は無限大だ。

中国発ショートドラマが海外で大ヒット、過去1年間のアプリ内課金収入は250億円超

作者:新智元(WeChat公式ID:AI_era)

※2024年4月13日のレート(1ドル=約153円)で計算しています。

(編集・翻訳 36Kr Japan編集部)

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