アリババ、京東が米国向け電子たばこの発売を停止 中国メーカーも打撃か

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世界最大かつ最も成熟している電子たばこ市場である米国が今、転換期を迎えている。

米メディア「ザ・ヴァージ(the Verge)」によると、米国ではすでに7人が電子たばこが原因とされる疾病で死亡しており、政府の怒りが日増しに高まっているという。米国連邦政府は先日ある調査結果を発表。青少年の喫煙率は低下しているものの、高校生のうち約28%が過去30日以内に少なくとも一度は電子たばこを使用したことがあり、前年比で21%も増加しているという。

これを受け、多くの小売り大手が電子たばこの販売を停止した。最新情報では中国IT大手のアリババグループ、京東(JD.com)が米国向けの電子たばこの販売を中止すると発表。これ以前にも米最大手の薬局チェーン「Walgreens」と米スーパー最大手「クローガー(Kroger)」が電子たばこの販売停止を発表している。小売業世界最大手の米ウォルマートはそれよりも早く販売を控えている。

中国メディア「澎湃新聞(The Paper)」の報道では、近ごろ米国市場で電子たばこの使用が青少年の健康を害するケースが頻発していることから、アリババは自社の国際プラットフォーム上の全ての電子たばことその部品に対する米国ユーザーからのアクセスと注文を制限するという。

京東の越境ECサイト「JD Worldwide」も米国向けの全てのカテゴリの電子たばこにアクセス制限をかけており、関連注文の発送を暫定的に停止している。なお、アリババ、京東ともに中国国内では通常通り電子たばこを販売している。

米国の電子たばこ市場は間もなく厳冬期を迎えるだろう。真っ先に打撃を受けているのが「Juul」だ。この世界最大手の電子たばこ企業は3年間で評価額が380億ドル(4兆1000億円)に達している。しかし今年は立て続けに調査を受け、厳しい世論にさらされている。米国の多くの州では電子たばこの販売がすでに禁止されており、連邦取引委員会(FTC)、食品医薬品局(FDA)と複数の州検察は近いうちに同社を調査するという。9月下旬、Juulはケビン・バーンズCEOの退任を発表し、同時に米国内での全ての広告を停止するとした。

同社の中国市場も順調ではない。9月初旬に中国市場に参入し京東や「天猫(Tmall)」で電子たばこを販売していたが、わずか4日後に販売が打ち切られたのだ。

京東、天猫等のプラットフォームが米国向けの販売を停止することで影響が及ぶのはJuulだけではない。中国の電子たばこメーカーも打撃を受ける可能性が高い。

清華大学のある調査チームが発表した「電子たばこ産業のモニタリング状況(2019)」によると、2017年時点で中国は世界シェアの95%を占める最大の電子たばこ生産国であり、輸出額においても世界シェアの90%を占めている。そして米国は世界最大の電子たばこ消費国であり、半数近くのシェアを占めているという。

大量の電子たばこが中国で生産され、米国に輸出されている。そのため、米国市場を失うということは中国の電子たばこメーカーの存続が困難になることを意味し、他の市場を探す必要に迫られることになる。大手プラットフォームはすでに販売を停止したが、完全に供給が断たれたわけではなく、消費者はまだ店頭で購入することができる。

目下のところ、電子たばこに対する風当たりは世界中で厳しくなっている。米国の一部の州、ブラジル、インドではすでに販売が全面禁止となっている。中国においては香港で全面的に電子たばこが禁止されたほか、深圳、杭州でも電子たばこを禁煙条例の対象にするという。

だが、厳格な監督管理の実施を前に、電子たばこ業界では依然として狂騒状態が続いている。中国電子たばこ市場における今年の調達資金額は、既に10億元(約150億円)を上回っている。関連事業者たちは事業展開を加速させ、難局を乗り切る準備をしている。
(翻訳・山口幸子)

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