セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け
メールマガジンに登録
電気自動車(EV)時代の現在、コックピットのエンターテインメント機能は、自動車メーカー各社が競い合うポイントの1つとなっている。そのなかで、自動車メーカーに新たな選択肢を複数提供しているのが、ゲームエンジン大手の米Unity Technologiesだ。
同社の中国合弁会社Unity Chinaは「北京国際自動車ショー」(4月25日〜5月4日)に出展し、ゲームエンジン「Unity」をベースに開発された2つのプロダクト、「スマートコックピット向け没入型エンターテインメントソリューション」と全面アップグレードした「車載機器向け開発エンジン」を初披露した。
Unity Chinaは、アリババグループや中国移動(チャイナモバイル)のほか、ゲーム大手の米哈遊網絡科技(miHoYo)やスマートフォン大手のOPPO、テック大手のバイトダンスなどから出資を受け、評価額10億ドル(約1600億円)のユニコーン企業となっている。
今回発表された2つのプロダクトのうち、スマートコックピット向けの没入型エンターテインメントソリューションは視覚や聴覚などさまざまな感覚に訴えかけ、ユーザーに没入感のあるドライブ体験を提供する。自動車メーカーは、Unityのリアルタイムレンダリング技術を用いて、3Dのインタフェースやコンテンツを6Kの大型ディスプレー上に描き出せるようになる。また、7.1.4chのサラウンドシステムが組み込まれているため、映画館並みの音響が実現する。
車載機器向けの開発エンジンは高度なヒューマン・マシン・インターフェース(HMI)を開発するためのフレームワークで、自動車メーカーが迅速な量産を実現し、スマートコックピット分野のイノベーションの成果を実用化するのを後押しする。
Unityのスマートコックピットソリューションはすでに、メルセデス・ベンツや蔚来汽車(NIO)、小鵬汽車(Xpeng Motors)、理想汽車(Li Auto)などに採用されている。不完全な統計ではあるが、今回の北京国際自動車ショー以前に、スマートEVを手がけるメーカーの8割以上がUnityの開発エンジンを用いてリアルタイム3DのHMIを作成したとされる。Unity Chinaはすでに自動車メーカー30社近くと提携しており、市場に出回る60車種以上にUnityで動くHMIが搭載されているという。
*2024年5月1日のレート(1ドル=約158円)で計算しています。
(36Kr Japan編集部)
セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け
メールマガジンに登録