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夏になると気になるのが、強い日差しによる日焼けや肌へのダメージ。中国でも日傘にサンバイザー、サングラス、マスク、日焼け防止服の「フル装備」で出かける人の姿が増え、関連製品の売り上げも一気に高まっている。
通販おすすめサイト「什麼値得買」で美容業界を担当する楊雪婕さんによると、5月下旬から6月にかけての通販商戦「6・18セール」では今年、明らかな季節性が見られ、パーソナルケア・美容用品のカテゴリーでは日焼け止めがよく売れている。婦人服のカテゴリーでは、5月20日に販促が始まってから最初の4時間、売り上げトップ5を日焼け防止服が独占した。
中国では近年、インターネットの影響で「光老化」を知る人が増え、日焼け対策への意識が高まっている。大手調査会社の艾媒諮詢(iiメディアリサーチ)のデータでは、中国の日焼け止め化粧品市場は2023年、148億元(1元=約22円)と前年比12.3%拡大した。
中日友好医院皮膚科の李承旭医師によると、皮膚の老化には内因性老化と外因性老化がある。「光老化」は外因性老化を指し、紫外線(UV)を浴びることによる慢性的なダメージが皮膚の老化を引き起こす。光老化を防ぐには「帽子や傘などの対策グッズに加え、適切な日焼け止め剤を選ぶ必要がある」という。
市販されている日焼け対策製品は、日焼け止めクリームやスプレーなどの「ソフト」な製品と、日焼け防止の衣料や帽子、マスクなどの「ハード」な製品に分かれる。性能に対する消費者のニーズはさまざまだ。中国のSNS「小紅書(RED)」で「日焼け対策」と検索すると、製品のレビューや日焼け対策の体験談など大量の投稿が見つかる。
あるショッピングモールのスポーツ用品エリアでは1970年代生まれの李さん(男性)が日焼け対策グッズを探していた。アウトドアスポーツが好きで、ランニングやサイクリングをし、時には山にも登るが、「太陽を直接浴びるのがきつい」。アウトドアシーンに適した商品を見つけるには、SPF(サンケア指数)が高いこと、生地が軽くて薄いこと、防水性があることなどがポイントになると話してくれた。
60年代生まれの朱さん(女性)にも話を聞いた。すでに退職し、自由な時間がたくさんあるので、よく外に遊びに行く。「夏の『フル装備』は蒸し暑く、写真写りも良くない」。日焼け対策のアイテムとしては、ひんやりとした着心地の「アイスシルク」と呼ばれる化学繊維の衣料品や美白効果のある日焼け止めクリームがお気に入りだ。
業界関係者は、日焼け対策の需要は性別や年齢層を問わず、男性用製品の市場の活力も徐々に高まっていると指摘。旅行やアウトドアスポーツなどのシーンの広がりに合わせ、企業は普段の外出時に用いられる製品に加え、さまざまなターゲットやシーンのより細かいニーズに応えた製品を発売している。消費者の多様化とニーズの洗練で、日焼け対策市場の規模はさらに拡大するとみられる。(新華社北京)
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