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中国は6月6日、第5世代移動通信システム(5G)商用化ライセンスの発給から5周年を迎えた。中国に設置された5G基地局数は累計370万カ所を超え、5G対応携帯電話の契約件数は8億件以上となった。全てのモノがインターネットに接続されるようになり、多くの業界と社会生活にメリットをもたらしている。
これまでの道のりを振り返ると、中国は1987年に第1世代移動通信システム(1G)のアナログ時代に入った。第2世代移動通信システム(2G)で世界に追いつき、第3世代移動通信システム(3G)で飛躍的な進展を実現し、第4世代移動通信システム(4G)で世界と足並みをそろえ、19年に5G時代に突入し、しかも業界の発展をリードし始めた。
通信大手の中国移動通信(チャイナモバイル)は、世界最高峰チョモランマの標高6500メートル地点に世界最高所となる5G基地局を設置した。新疆ウイグル自治区のタリム油田では、地下1万メートルの大深度坑井の全域で5G電波が利用可能となっている。
5Gネットワークはサービスエリアが広く、通信速度がより速いことから、ショート動画などの5G活用例が急速に普及している。22年の北京冬季五輪では、北京市と河北省張家口市の間を走る高速鉄道内で5Gを活用した超高精細映像のライブ配信映像の視聴を実現した。中国移動傘下で動画配信サービスを手がける咪咕視訊科技だけでも、冬季五輪関連動画の再生回数は340億回を超えた。
今では国民経済活動97大分類のうち約7割で5Gが使われ、鉱業、港湾、電力、スマート製造などの分野ではより幅広く活用されている。工業情報化部は「第14次5カ年規画(十四五、2021~25年)」期間に5Gに接続する工場を1万カ所以上にする計画だ。
今年4月に開かれた北京国際モーターショーでは、5Gと人工知能(AI)を組み合わせるトレンドが顕著に現れた。5Gネットワークと大規模言語モデルを搭載した自動車は5Gネットワークを通じてデータを瞬時にアップロード・ダウンロードし、AIアシスタントは運転手の意思を秒速で理解するだけでなく、音声を識別し、スマートな操縦を実現する。
5Gネットワークが後ろ盾となる中、通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)のクラウド部門が手がける大規模言語モデル「盤古」、インターネット検索大手の百度集団(バイドゥ)の生成AI「文心一言(アーニーボット)」、音声認識大手の科大訊飛(アイフライテック)の大規模言語モデル「訊飛星火(iFLYTEK Spark)」などが続々と登場し、産業のイノベーションを後押しし、都市の発展に力を与えている。
中国移動は3月に5Gの機能を拡張させた「5G-Advanced(5G-A)」の商用化計画を打ち出した。第1陣として100都市を発表し、年内に商用化を国内300以上の都市に広げ、最大規模の5G-A商用ネットワークを構築するとしている。(新華社北京)
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