EVメーカーNIO、Q3の納車台数は約5000台達成も、年間目標台数には遠く 

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新興EVメーカー「蔚来汽車(NIO)」はこのほど、第3四半期の納車台数が予想の4200~4400台を上回り、前期比35.1%増の4799台となったことを明らかにした。車種別に見ると、このうち4196台は「ES6」、603台は「ES8」だった。

新エネルギー車(NEV)購入補助金の減額とリコール騒動は、NIOに少なからぬ影響を及ぼした。同社は今年第3四半期、新車購入意欲の刺激策として品質保証と電池交換の無期限無償サービスを打ち出した。さらに中国における自動車販売最盛期である9月には、3年間の無金利分割払いや頭金3割の先払いにより自動車購入が可能などの優遇策を追加した。

NIOの李斌(ウィリアム・リー)CEOは上記の発表の中で、今年9月の販売台数には「国慶節連休(10月1〜7日)前の駆け込み購入による効果」も影響したとの考えを示している。

月次データは、同社が低迷からまだ完全には抜け出せていないことを示している。納車台数は9月が2019台(うちES6が1726台、ES8が293台)、8月が1973台(うちES6が1794台、ES8が146台)で、9月に行ったマーケティングの顕著な効果は現れていない。

NIOのフラッグシップモデルES6は、9月の販売台数が8月よりも減少している上、ES8の昨年単月販売台数3000台超には遠く及ばない数字となっている。9月末時点で、同社の2019年納車台数は合計1万2000台となっており、年初に設定した目標4〜5万台の4分の1しか達成できていない。

NIOに残された時間は少ない。

止まらない経営損失の発生やショールーム「NIO House」への巨額投資、さらにリコール騒動の影響もあり、同社の株価は第2四半期の決算発表から半月ほど低迷の一途をたどり、一時は1ドル(約110円)に迫った。ニューヨーク証券取引所の上場規定では、終値で1ドル割れの株価水準が30日続くと上場廃止警告を受け、その後90日以内に上場基準に達しなければ上場廃止となる。

NIOの内部事情に詳しい関係者は、「NIOは今期の業績で市場の信頼を取り戻したいところだが、現時点でのパフォーマンスでは到底不十分だ。ウォール街では、粗利率の改善や外部からの速やかな資金調達による同社の存続の可否に注目が集まっている。李CEOは今後、資金調達に奔走すると同時に、大規模な人員削減やチャネル縮小を余儀なくされる可能性が極めて高い」との見方を示している。
(翻訳・田村広子)

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