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米メタは7月23日、オープンソースの大規模言語モデル(LLM)の最新版「Llama 3.1」を発表した。マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は同日、米ブルームバーグのインタビューに応じ、オープンソースのLLMは中国企業に利用されてしまうとの見方に反論。米国が人工知能(AI)分野で中国を数年リードするという考え方は「非現実的だ」とし、技術の封じ込めは技術の発展を阻害するとの認識を示した。
ザッカーバーグ氏は、Llama 3のトレーニング(訓練)に投じた資金はすでに数億ドル(数百億円)に上ったが、メタはAI開発に対する投資をさらに拡大する意欲があると強調した。将来的には利用規約を順守するユーザーに対し、Llamaの技術を無料で公開する考えだという。
ある評論家は、メタのオープンソースLLMが乱用される可能性があるとし、米国と地政学的に対立する中国などの企業が同社の技術を利用して、 米国企業に追いついてしまう懸念があると指摘した。ザッカーバーグ氏はこれに反論し、米国のテクノロジーの活況はオープンかつ分散的なイノベーションによるものだとし、「すべてを閉鎖的にしてしまうと継続的な進歩が妨げられ、米国は最終的に主導的な地位を失ってしまうだろう」と述べた。さらに、米国がAI分野で中国の数年先を行くという目標は非現実的で、米国は6〜8カ月のリードを維持していくというのが妥当な見方だとの考えを示した。
ここ数年、中国の大学や企業によるAI研究が急速に進歩している。米ジョージタウン大学安全保障・先端技術研究センター(CSET)が今年5月に発表したリポートによると、世界で最もホットなAI分野の過半数で中国が米国を上回り、AI研究をリードしているという。
*1ドル=約145円で計算しています。
(36Kr Japan編集部)
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