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中国の主な新興電気自動車(EV)メーカーが、2024年10月の新車販売(納車)台数を発表した。理想汽車(Li Auto)は前月よりやや減少したものの、5万台超えで圧倒的トップを維持。続く上位勢各社は軒並み販売台数を伸ばした。
1位:理想汽車
理想汽車(Li Auto)の10月の販売台数は、前年同月比27.3%増の5万1443台だった。1〜10月の累計販売台数は39万3255台となった。
理想はプラグインハイブリッド車(PHV)専業だったが、24年3月に初のピュアEV「MEGA」を発売して注目を集めた。25年には、フラッグシップ車のMEGAのほか、レンジエクステンダーEV5車種とピュアEV5車種を打ち出す計画だという。
同社は10月15日、100万台目の車両としてSUV(多目的スポーツ車)「L9」をラインオフしたと発表した。2019年12月に1台目の「理想One」をラインオフしてから、わずか58カ月で100万台達成は、新興勢では初となる。
2位:零跑汽車
零跑汽車(Leap Motor)の10月の販売台数は、前年同月比109.7%増の3万8177台だった。1〜10月の累計販売台数は21万4998台となった。前面に打ち出す低価格戦略が販売増につながった。
同社の海外進出計画の進展にも注目が集まる。10月に開かれたパリ・モーターショーでは、新型SUV(多目的スポーツ車)「B10」を発表。価格は10万〜15万元(約200〜300万円)で、25年にも世界に向けて発売される見通しとなっている。
3位:AITO
華為技術(ファーウェイ)と自動車中堅の賽力斯集団(SERES)が共同運営するEVブランド「問界(AITO)」の10月の販売台数は、前年同月比104.6%増の3万6011台だった。1〜10月の累計販売台数は35万2724台となった。
AITOは25年に新車種「M8」の発売を予定しており、11月15日に開幕する広州モーターショーでお披露目するとみられる。
4位:ZEEKR
吉利汽車(Geely Automobile)傘下の高級EVブランド「極氪(ZEEKR)」の10月の販売台数は、前年同月比92.0%増の2万5049台だった。1〜10月の累計販売台数は16万7922台となった。
10月には新型MPV(多目的車)「MIX」を発売。価格は27万9900元(約590万円)と安くはないが、通常の3倍近くに上る開発費をかけ、吉利の技術の粋を集めた新車種とあって、大きな反響を呼んでいる。
ZEEKRは2021年に設立され、24年には高級EV市場でテスラに対抗するため「ZEEKR 007」を打ち出し、注目を集めている。25年には日本市場にも進出する計画だという。
5位:小鵬汽車
小鵬汽車(XPeng Motors)の10月の販売台数は、前年同月比20.0%増の2万3917台だった。1〜10月の累計販売台数は12万2478台となった。
小鵬は11月7日、世界初の人工知能(AI)搭載車「P7+」を発売した。価格は20万9800元(約440万円)から。同社は、次の10年はAI搭載車が焦点となるはずだとしている。その幕開けを飾るP7+の売れ行きに注目したい。
その他:
蔚来汽車(NIO)の10月の販売台数は、前年同月比30.5%増の2万976台と6カ月連続の2万台超えを果たした。10月はトップ5入りを逃したが、1〜10月の累計販売台数は17万257台と新興勢では4位につけている。
スマートフォンメーカーによる初のEV「SU7」で注目を集める小米汽車(Xiaomi Auto)の10月の販売台数は2万台を突破し、11月には年間目標の10万台を達成する見込みだという。さらに、10月29日にはSU7シリーズの最上位モデル「SU7 Ultra」を発表し、大きな反響を呼んだ。81万4900元(約1700万円)と超高額な販売価格にもかかわらず、予約開始から10分で予約注文が3680台を超えたという。発売は2025年3月を予定している。
ちなみに、業界最大手の比亜迪(BYD)の10月の販売台数は、前年同月比66.2%増の50万526台と前月に続き過去最高を更新した。1〜10月の累計販売台数は323万台を突破。すでに2023年の年間販売台数を超えている。
むすび
2024年も残り2カ月を切った。すでに自動車購入に関する各種補助金政策は終了しているが、上位勢各社はさらなる価格競争を繰り広げ、販売台数を伸ばすとみられる。一方で、余力のない企業は市場競争の波にのまれ、沈んでいくだろう。かつて上位勢の一角を占めた哪吒汽車(NETA)は、現時点で10月の販売台数を発表していない。
*1元=約21円で計算しています。
(36Kr Japan編集部)
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