孫正義から資金調達した「車好多」、「中古車戦争はまもなく終局を迎える」

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「中古車戦争はまもなく終局を迎える。この分野でチャンスを新たに見いだせる企業はもうないだろう」と、「車好多集団(Chehaoduo Group)」CEOの楊浩涌氏はいつものように抑揚のない声で話した。

車好多集団の傘下には、中古車販売プラットフォームの「瓜子二手車(Guazi)」、新車販売の「毛豆(Maodou)」、自動車ファイナンスの「瓜子金融」、自動車メンテナンスの「瓜子養車」、自動車保険の「車好多保険」、レンタカーの「瓜子租車」など、自動車に関連する各種の事業がある。

楊浩涌氏は2015年9月に瓜子二手車を設立し、「優信二手車(xin)」、「人人車(RenRenChe)」などのプラットフォームと広告合戦を繰り広げてきた。今年2月、ソフトバンク・ビジョン・ファンドが車好多に15億ドル(約1600億円)を出資し、車好多の評価額は90億ドル(約9700億円)を超えた。この資金調達は中古車EC戦争のターニングポイントだと見られている。現在米国で上場している優信の時価総額は8.7億ドル(約940億円)しかなく、人人車はリストラ、事業縮小などが明るみに出て、瓜子との差がさらに広がっている。

車好多は毛豆で新車販売に進出し、これまで蓄積したトラフィックを活用すると同時に、新車という数兆元(約数十兆円)規模の市場への参入を果たした。さらに物流、メンテナンス、ファイナンス、保険など自動車の利用を支える業務を展開し、各段階で利益を確保できるようにしている。

しかし、資本市場の熱気が冷めつつある今、アセット・ヘビー・モデルの車好多に対しても懐疑的な声が上がっている。こうした指摘に対し、楊浩涌氏は36Krのインタビューに応じ、楽観的な見方を示した。

ーーここ3年間は目覚ましい成長を遂げましたが、どのようなことに取り組んできたのでしょうか。

「1年目は『規模最優先』というスローガンで業務を展開し、2年目は『瓜子厳選』と呼ばれる中古車認定業務に取り組み、1~2万台を認定しその基準を明確にした。昨年は2四半期を使い100以上の瓜子厳選店舗を開いた(1号店は2018年9月にオープン)が、そのほとんどが1万平米を超える大型店だ。今年の春節後からより細やかな運営に集中し、各店のスマート端末の開発や、ビッグデータ・AIによる販売価格の算出、顧客体験の改善に取り組んでいる」

ーー自動車販売は全体的に低迷し、自動車販売を手掛けていた大手の「龐大集団(Pang Da Automobile Trade)」が倒産したほどです。毛豆新車の状況はどうでしょうか。中古車と新車の売上高比率はどれくらいでしょうか。

「当社が扱うのは本体価格が平均8~10万元(約120~150万円)の大衆車で、中小都市での販売がメインだ。このモデルはほぼ確立されており、毛豆の赤字は大幅に減少し、第4四半期には黒字化する見込みだ」

「今年上半期、瓜子厳選の売上高は対前年比で207%伸び、毛豆は238%伸びた。しかし毛豆の規模はまだ小さく、瓜子のほうが参入障壁を高めることができている。中古車分野でチャンスを新たに見いだせる企業はもうないだろう」

ーーこれだけ多くの事業を同時に展開するのに、運営力は十分でしょうか。

「それこそが最大の課題だ。ある程度の規模まで成長したインターネット企業は、ほぼすべてが多角化を進める。しかし運営チームには限界があり、強いチームがなければ、優れた企業にはなれない。アリババ、ファーウェイのような企業は優れた人材を多数抱えており、彼らのような多角化を実現するにはそれだけ強力な組織が必要になる。当社は今年上半期大規模なジョブ・ローテーションを行った。それが新たな活力をもたらすことを期待している」

ーーソフトバンク・ビジョン・ファンドが車好多に出資したことに批判の声も多いと聞きます。例えばファンドの出資者からは「なぜこれほどの金額なのか」という疑問をあったようです。

「ソフトバンクは昨年7~8月頃から当社に注目し始めた。孫正義氏と春節のときに東莞市にある厳選事業の拠点を見に行、その後すぐに出資が決まった。彼が私たちの事業を評価してくれたからだと思う」

ーーソフトバンクからの出資は事業に使うのですか、それとも上場に使うのでしょうか。

「上場はもう少し待ちたい。今の規模なら、IPOに取り掛かれば3カ月で上場できると思うが、柔軟性が必要だと考えている。潜在的な競争を考えた際、より即断即決することができるようにしておき、資本市場に影響されないようにしたい」
(翻訳:小六)

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