年間最大のECセール「双11」が本格スタート 拼多多の目標流通総額 11月は4.5兆円 

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中国で「独身の日」と呼ばれる11月11日にちなんで繰り広げられる年間最大のECセール、「双11」商戦が正式にスタートした。

調べによると、「拼多多(Pinduoduo)」は今月、先月比3倍の流通総額(GMV)を目指している。2019年第2四半期(4~6月)決算によれば、拼多多の2018年7月~2019年6月のGMVはすでに7000億元(約10兆5000億円)を超えており、前年同期比171%増となっている。同社の第3四半期(7~9月)決算はまだ発表されていないが、36krのリサーチ部門「智氪研究院」の予測によれば、7~9月のGMVは3300億元(約5兆円)を超え、各月のGMVは平均1000億元(約1兆5000億円)を突破する見通しだ。

拼多多の10月のGMVは、例年10月に販促キャンペーンを実施していることに加え、衣替えシーズンやスマートフォンの新機種リリース時期とも重なるため、比較的高水準となっている。11月の目標GMVが10月の3倍ということは、第2四半期全体のGMVとなる3000億元(約4兆5000億円)を単月で達成する可能性があることを意味し、これがいかに意欲的な目標であるかが分かる。

中国の調査会社「QuestMobile」が先日発表したリポートによれば、拼多多の今年8月のユーザー規模はすでに4億3000万人に達している。また米モバイルアプリ調査会社「Sensor Tower」のモニタリングデータによると、拼多多は今年9月、米アップルが運営するApp Storeでのショッピングアプリダウンロード数ランキングで世界第1位になっており、依然として驚異的なユーザー数の伸びを達成している。

さらに同社は昨年の双11セール期間中、「拆宝箱(宝箱、ラッキードローのようなシステム)」や「限時免単(指定商品を購入すると同額キャッシュバックが受けられるタイムセール)」などのキャンペーンにより、1日当たりアクティブユーザー数(DAU)を単月で2000万人近く伸ばしている。

拼多多は今年の双11セールで、「100億元(約1500億円)割引キャンペーン」に大量の商品を投入している。アップルや英家電大手ダイソンなどの高額商品を活用し、一~二級都市に住む富裕層の間に、自社の販売商品が低価格かつ正規品であるとのイメージを植え付けたい考えだ。拼多多はこれまで、同キャンペーン対象のiPhoneを含む商品の価格は、他の大手ECサイトの中で最安値だとたびたび宣言している。

しかしながら、前述の目標GMVを達成するには障害も存在する。

微信(WeChat)は10月下旬、外部リンクコンテンツに関する新たな規則の運用を開始した。これにより、拼多多の利用者はアプリのダウンロードを促すリンクを友人に直接送信することができなくなり、結果としてソーシャルネットワークを利用したユーザー獲得手段は多大な影響を受けている。ただ、拼多多にはすでに一定の集客力があることから、この新規制の影響を強く受けるのは、同社にならって同様の手段でユーザーを獲得してきた他の事業者の方だとみられる。
(翻訳・神部明果)

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