中国のSNSに高齢者の利用増加、シニアインフルエンサーが活躍

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中国で若者の領域だったインターネットにますます多くの高齢者が参入し、交流サイト(SNS)で多くのフォロワーを持つ「インフルエンサー」として活躍するおじいちゃんやおばあちゃんが登場している。

引退したピアニストの尹松さんは動画投稿アプリ「抖音(ドウイン)」で音楽関連コンテンツを投稿している。若者の勧めでゲームやアニメ音楽を話題として取り上げるようになり、大ヒットしたゲーム「黒神話:悟空」の音楽を解説したところフォロワーが急増。多くの人が良いと感じながらうまく言えなかったポイントを専門的ながらわかりやすく説明していると評判になり、肩肘を張らず優雅でウィットに富んだスタイルも若者たちの好感を呼んだ。コメント欄には「おばあちゃん鋭すぎる」「ヘッドホンが聴診器みたいだ」といった感想が並ぶ。

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抖音でフォロワーが550万人を超える呉於人さんは同済大学(上海市)の元教授。複雑な物理学の知識を生き生きとおもしろく解説する動画で評判を呼び、「もっと早く呉さんの動画に出会っていたら物理の成績も良くなっていたはず」などと称賛されている。物理学と共に半生を歩み、自分の知識をもっと多くの人に伝えたいと願っていた呉さんに、インターネットはうってつけの舞台になった。「教師をしていると、知識が頭の中にあるだけでは意味がないと感じる。もっと多くの人にインターネットを手段として活用してもらいたい」と語る。

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浙江省杭州市に住む80歳近いお年寄り2人は「健康真好(健康って本当にいいね)」のアカウントで、日々の食事の記録をシンプルな写真と素朴な文章で投稿し、レビュー情報などが豊富な「小紅書(RED)」でフォロワー100万人以上を獲得している。毎日の投稿では、多くの若者が「おばあちゃん、おはよう」「夕飯はチキンレッグを食べた」「私が食べたのはハンバーガー」といったコメントを寄せ、2人が優しい言葉で返信するやりとりも見られる。

中国インターネット情報センター(CNNIC)が昨年8月に発表した「中国インターネット発展状況統計報告」によると、2024年1~6月の新規ネットユーザー742万人のうち、60歳以上は20.8%を占めた。

今や高齢者がインターネットの重要な新規参入層となっている。知識やスキルを共有したり、素朴な日常生活を発信したり、意外性のあるファッションコーディネートを紹介する人気の「シルバーブロガー」は、固定観念を打ち破り、高齢者の活力と創造力を人々に伝えている。

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高齢者のインターネット参入は、世代を超えたコミュニケーションを生んでいる。複数のシルバーブロガーをフォローしているという「00後(2000年代生まれ)」のネットユーザーは「人生の山や谷を経験し、晩年を迎えても自律し、プロフェッショナルで知恵にあふれ、新しいことに挑戦して輝き続けるお年寄りたちの姿に、たくさんのエネルギーをもらっている」と語った。【新華社北京】

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