中国自動運転「縦目科技」、資金難で破産危機 CEO「M&Aで活路」

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自動運転ソリューションを提供する中国企業「縦目科技(ZongMu Technology)」が、資金繰りの悪化に陥っている。すでに従業員の賃金未払い、社会保険料の未納が発生しており、影響は700人以上に及んでいる。

同社の唐鋭最高経営責任者(CEO)は社員総会で、会社の銀行口座がすでに凍結されており、現状を打開するためにM&A(合併・買収)の可能性を模索していると説明した。一部の従業員はすでに労働仲裁の申し立てを開始している。

縦目科技は2013年に設立され、サラウンドビューなど先進運転支援システム(ADAS)のアルゴリズムやソフトウエア開発に注力し、優れた自動駐車システム(APS)で名を馳せた。パソコン大手の聯想集団(レノボ)やスマートフォン大手の小米集団(シャオミ)などから資金調達し、一時は評価額が90億元(約1900億円)を超えたこともあった。

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しかし、2023年以降は徐々に大口顧客の受注を失い、事業は低迷していった。経営陣は充電式の自律走行ロボット事業にリソースをつぎ込んだが、多額の資金投入が財務をさらに圧迫する結果となった。

2024年10月には、同社の従業員が最低賃金しか受け取れておらず、社会保険料の支払いも停止されていることが明らかになっていた。唐CEOは、APS事業は売却するが、ロボット事業は維持したい考えを示している。現在は浙江省寧波市の上場企業とM&Aについて協議中だが、デューデリジェンス(適正評価手続き)などの事前調査に多くの時間を要するとみられる。

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電気自動車(EV)の急速な普及とスマート化の加速に伴い、中国の自動運転業界の競争も激しさを増している。ファーウェイやMomenta(モメンタ)、DJI傘下の卓馭科技(旧、DJI Automotive)、元戎啓行科技(ディープルート)などがシェアを競っているほか、自動車メーカーが自動運転技術を自社開発する割合も増えている。

縦目科技の唐CEOは、M&Aが成功すれば会社は存続できるが、失敗すれば清算手続きに入らざるを得ないとの認識を示した。

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*1元=約21円で計算しています。

(36Kr Japan編集部)

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