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中国スマートフォン大手の小米(Xiaomi、シャオミ)は2月12日、傘下のグローバルブランド「POCO(ポコ)」からSIMフリーの高性能スマホ「POCO X7 Pro」を日本市場で発売した。
POCOはミドルレンジクラスのブランドという位置づけで、「フラッグシップ級の性能を手頃な価格で提供する」ことを最大の特徴としている。もともとはシャオミのサブブランドとしてスタートしたが、2020年から独立ブランドとして運営されるようになった。オンライン販売中心とすることでコストを削減し、より手頃な価格で高性能な端末を提供する方針を取っており、現在は特にインド、東南アジア、欧州市場で強い存在感を示している。
同じくシャオミのミドルレンジブランド「Redmi」と比較すると、POCOは特にゲーム用途を意識しており、高リフレッシュレートディスプレイや高性能チップセット、大容量バッテリー、優れた冷却システムを備えていることだ。また、より若者向けのデザインやカラーリングを採用しており、背面にブランドロゴ「POCO」を大胆に配置するなど、個性的な印象が強い。
今回日本で発売されたPOCO X7 Proもゲーミング性能に特化した端末で、台湾メディアテック社製の高性能SoC「Dimensity 8400-Ultra」を日本市場向けのスマホで初めて搭載した。ベンチマークアプリ「AnTuTu」で測定したスコアは170万点超えを記録、ハイエンド機に匹敵する性能を誇る。さらに、6.67インチ有機EL( AMOLED)ディスプレーを採用し、6000mAhの大容量バッテリーは90W急速充電に対応する。市場想定価格はメモリー8GB、ストレージ256GBのモデルが4万9980円(税込)とコストパフォーマンスの高さが光る。
IDC Japanのデータによると、2024年4~6月期のシャオミの日本出荷台数は前年同期比464.4%増の49万台となり、メーカー別のシェアは7.2%で4位にランクインした。中国メーカーが日本市場でトップ5入りするのは、18年4~6月期のファーウェイ以来だった。しかし、シャオミの勢いは続かず、24年7〜9月期にはトップ5圏外に転落した。
シャオミは日本での広告展開やSNSを活用したマーケティングを強化し、認知度を高めつつあるが、POCOブランドはまだ知名度が低い。市場に浸透するには独自の価値提案と効果的なマーケティング戦略が必要になるだろう。シャオミ日本法人の責任者は「POCO X7 Proの投入でラインアップを拡充し、POCOブランドの日本市場参入を本格化する」と話した。
日本の消費者は新しいデバイスを購入する際、コストパフォーマンスを重視する傾向がある。高性能かつ手頃な価格帯のPOCOが参入したことで、日本の中価格帯スマホ市場のさらなる活性化が期待できそうだ。
(36Kr Japan編集部)
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