中国の航空会社、ペット同伴サービスを拡充 専用ラウンジも登場

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中国の大都市でここ数年、ペットを飼う人が増加し「ペットフレンドリー」という考え方が社会に浸透しつつある。航空業界でもペット輸送サービスが頻繁にアップグレードされ、ネット上では「毛孩子旅行」(ペットとの旅行)がたびたびトレンドに上がっている。

国内で初めてペットの客室持ち込みを導入した海南航空は、既に北京市や上海市、広東省深圳市など27の主要都市でサービスが利用できるようになっており、24年は1万匹余りを客室に乗せて輸送した。昨年11月にはサービスをさらに充実させ、オンラインでのペット搭乗予約やペット保険の申し込み、地上と上空の一貫サポートなどを開始した。

今年の春節(旧正月)の特別輸送態勢「春運」期間には、中国南方航空が「ペット同伴搭乗」サービスを開始した。広州-上海虹橋路線では、旅客がペットを客室に同伴できるだけでなくペット専用座席を追加購入できるようになった。他の乗客に影響しないことを前提に1便につき最大2匹を同伴できるが、ペットの種類は小型の犬と猫に限定される。

同社は春運の第1週(1月14~20日)の広州出発便で計440匹を取り扱い、うち同サービスを受けたペットは20匹余り、ペット専用座席の購入率は約35%に上った。

空の上だけでなく地上でのサービスも、各航空会社が力を入れている。四川航空は2018年に「ペット託送サービス」を導入、ペット搭乗に際し専用車による送迎や適切な温度環境が保たれた休憩場所などを提供している。

深圳市の深圳宝安国際空港は昨年5月、国内初のペット専用ラウンジを開設、ペット旅行のワンストップサービスも打ち出した。ラウンジは温度や湿度、空気の質などの総合監視システムを備えており、犬と猫でエリアが分かれているほか、1匹ごとに独立した待機スペースや遊び場も設けられている。

同空港では今年の春運期間中、「愛するペットと一緒に旅をする」独特の風景が広がった。中国南方航空傘下の南方航空物流深圳分公司の関係責任者によると、春運の初日からペット輸送業務が活況を呈し、取扱件数は前年同期比で20%近く増加したという。

空港や航空会社が競ってペットサービスを提供する背景には、国内の巨大なペット輸送市場の存在がある。「2025年中国ペット業界白書」によると、昨年の都市部における犬猫関連の消費市場規模は前年比7.5%増の3002億元(1元=約21円)に達し、犬猫の飼育数は1億2000万匹を突破した。より専門的なサービスの充実、快適で清潔な環境、訪問サービスなどに対する飼い主の関心が大幅に高まっている。

関係者によると、多様な需要を背景に各種のペット託送会社が相次ぎ市場に参入するだけでなく、スマート化されたりカスタマイズされたサービスが続々と登場している。中国のペット輸送はよりきめ細かく専門的なサービスを提供する傾向があり、注目市場となりつつある。【新華社深圳】

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