タピオカバブルの再来?マーラータン店舗が密かに増殖中。火付け役はZ世代【中華ビジネス戦記】

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野菜や春雨などお好みの具材を麻辣スープで煮込む料理「麻辣湯(マーラータン)」が、日本のZ世代を中心に流行しているのをご存じだろうか。中国最大のマーラータンチェーン「楊國福」や日本発祥のチェーン店「七宝」は店頭の行列が途切れないほど若者の人気を集めている。このブームに目をつけ、かつてのタピオカドリンクのようにマーラータンの店が次々にオープンし、中国人をあまり見かけないエリアでも出店されるようになった。

「ガチ中華」から「ぽくない中華」、中国系飲食店が続々と日本に上陸する理由は

SNSの食レポ動画きっかけ

中国版InstagramのRed(小紅書)で「麻辣湯」と検索すると、東京や大阪などで新規オープンを告知する店舗アカウントがいくつも見つかる。上野や高田馬場などの中国人が多いエリアはもちろん、秋葉原やお台場、明大前など日本人をターゲットにした店も多い。日本でマーラータンが流行っているのを察知した中国人が続々と新規出店を進めているのだ。

日本の若者の間でマーラータンがブーム化したのは2024年。10~20代の女性TikTokerやインスタグラマー、YouTuberがマーラータンを食べる動画を投稿し始め、注目されるようになった。食レポ動画内で「行列1時間待ちのマーラータンの店に食べに来た!」というような表現をする投稿者も多く、それを見てチェーン店の楊國福や七宝などに通う女性が増える、その様子がSNSで拡散し人気に拍車をかけるという循環になっている。

中国B級グルメ「麻辣湯」チェーンが悲願の銀座出店。日本上陸から6年、客の7割が女性

タピオカとの共通点

マーラータンブームは在日中国人にも伝わっている。日本人女性がマーラータン店に並ぶ姿を捉えた写真や動画が中国のSNSにも投稿され、こうしたトレンドをキャッチした中国人がブームに乗り遅れまいとマーラータンの店を開こうと動き出した。

SNSより

その状況は5~6年前のタピオカドリンクブームと共通点が多い。当時、インスタ映えする見た目や独特な食感、カスタマイズ性などが若者に受け、あっという間にタピオカドリンクのスタンドが至る所に出現した。 そのスピード感には驚かされたが、今のマーラータンブームも中国人経営者の動きの速さが目立つ。

貢茶を真似たと思われる「特の貢茶」

タピオカドリンクと同様、マーラータンは料理人の腕をそれほど必要としない。薬膳系や牛骨系、四川式の麻辣系などスープには違いがでるものの、客が選んだ具材を煮込むだけで、極めてシンプルな料理だからだ。2018~2019年ごろに店舗が増えた火鍋料理もそうだが、参入障壁が低いジャンルはブームの兆しが見えると一気に店舗が増える。

ガチ中華は中国人が多いエリアに出店するのが定番だが、競争を避けるために日本人をターゲットにする経営者もいるので、明大前や秋葉原などガチ中華のイメージがないエリアでの出店も見られる。

韓国の有名チェーンも日本進出

マーラータンの店舗が増える中で、“変化球”的な出店もある。韓国で150店舗以上を展開するマーラータンチェーンの日本フランチャイズとして2024年12月に高田馬場にオープンした「麻辣工房」もその一例。同店オーナーで中国人の金さんは他に焼き肉店やタピオカのドリンクスタンドなどを経営しており、「日本人も辛い食べ物を食べるようになってきたのでマーラータンも絶対に流行ると思っていた。麻辣工房からフランチャイズの話があり、よいタイミングだと出店を決めた」と話す。

客の入りは好調なようで、筆者が週末の午後4時ごろ店を訪ねると、20代と見られる若い女性でにぎわっていた。金さんによると、客のほとんどは日本人だが中国人、韓国人の客も一定数いるという。高田馬場はこの数カ月でマーラータンの店が数店舗オープンするなど激戦区だが「手作りの牛骨スープや店の清潔感で他店と差別化したい」(金さん)そうだ。

麻辣工房のマーラータン

マーラータンは似たような味のスープや具材になりがちだが、日本では日本人向けの店が増えており、今後、日本人にも食べやすいようにスープの辛さを抑えたマーラータンや、担々麺風マーラータン(すでにマーラー担と誤表記しているTikTokerも多い)、にんにく、野菜をマシマシにした二郎風マーラータンなどローカライズ化が進むのではないだろうか。

すでにトムヤムスープやキムチスープなど多くの種類を提供している店も現れている

文:阿生

東京で中華を食べ歩く26歳会社員。早稲田大学在学中に上海・復旦大学に1年間留学し、現地中華にはまる。現在はIT企業に勤める傍ら都内に新しくオープンした中華を食べ歩いている。Twitter:iam_asheng

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