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中国のロボット掃除機ブランド「雲鯨(NARWAL)」がこのほど、騰訊投資(Tencent Investment)と北京ロボット産業発展投資基金から1億ドル(約140億円)を調達した。資金はAI搭載製品の開発やグローバル市場の拡大、マルチカテゴリー戦略の展開などに充てられる。
米IDCなど複数の調査会社によると、世界のロボット掃除機市場は2024年に112億ドル(1兆6000億円)規模まで拡大し、今後も大きく伸びていくとみられる。しかし、伝統的な掃除機ブランドの製品はどれも同じような形で、目新しい機能もなく、総合的な強みに欠ける。そんななか、石頭科技(Roborock)や科沃斯(ECOVACS)、追覓(Dreame)、小米(Xiaomi)などの中国ブランドが、絶え間ない技術革新とコストパフォーマンスの高さを武器に世界を席巻している。
2016年10月に設立されたNARWALもそのうちの1社で、24年の売上高は前年比130%増、海外売上高は700%増となり、安定した黒字化を果たしている。また、さまざまなユーザーのニーズを満たすため、24年は幅広い価格帯のロボット掃除機やコードレス水拭き掃除機など計10機種を発売した。
NARWALは自社チャネルを通じて消費者にオンラインで直接製品を販売し、急速に市場を拡大した。さらに2024年からはオフラインでの販売も加速しており、すでに中国の20省・70都市に500店以上の認定小売店を展開するほか、ファーウェイのスマートデバイス向けオープンエコシステム「鴻蒙智聯(HarmonyOS Connect)」のパートナー企業にもなっている。海外では50カ国以上に販路を広げ、実店舗での販売は欧州で5000店以上、北米では家電量販店大手のベストバイや会員制量販大手のコストコなど計300店近くに上る。
2025年は売上高が2倍に、海外売上高は3〜4倍になる見込みで、すでに販売が安定している中国や米国、カナダ、韓国などに加え、70カ国以上の市場に参入する。また、ドイツやフランス、イタリア、日本、イスラエル、オーストラリアなどでの事業展開を強化し、現地専門職チームを立ち上げて地域に根差した運営を展開していく。
目下、ロボット掃除機市場の再編が加速し、ローエンド製品は淘汰されつつある。より実用的かつスマートでパーソナライズされた製品をユーザーが求めているからだ。NARWALはすでに、AIステレオビジョンやロボットアーム、ヒューマン・マシン・インターフェース、AIモデルなど複数のコア技術を保有しており、家庭向けのよりスマートな「エンボディドAI(身体性を持つAI)」を次世代製品として打ち出す計画を明らかにしている。
開発中の家庭向けエンボディドAIは、今後2年以内の発表が予定されている。初代製品では、自社開発したロボットアームを独自の移動プラットフォームに搭載。内蔵した3Dステレオビジョンセンサーにより、掃除できる範囲を壁面などの立体空間にも広げる。また、新たに部屋の片付け機能も実装し、清掃と片付けの手間からユーザーを解放するという。
創業者の張峻彬氏は「未来のロボット掃除機は単なる清掃用具ではなく、家中の掃除や整理整頓全般を担う知的エージェントとなります。AIによるスマート化が、業界のさらなる成長の原動力となるはずです」と語った。
*1ドル=約142円で計算しています。
(翻訳・田村広子)
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