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中国の主な新興電気自動車(EV)メーカーが、2025年5月の新車販売(納車)台数を発表した。1位の零跑汽車(Leap Motor)と2位の理想汽車(Li Auto)は激しい市場競争の中で販売台数を大きく伸ばし、共に4万台超えを果たした。
自動車中堅の賽力斯集団(SERES)がファーウェイと共同開発したEVブランド「問界(AITO)」は3万6450台で3位となり、小鵬汽車(XPeng Motors)を約3000台差で制した。
ファーウェイが技術や販売支援を提供するEVブランド連合「鴻蒙智行(HIMA)」は、ここ2カ月販売台数を公表していなかったが、5月は過去最高の4万4454台を売り上げたと発表した。AITOが好調だったのはもちろん、奇瑞汽車(Chery Automobile)と共同で打ち出す「智界R7」が5142台、北京汽車集団(BAIC Group)と手がける「享界S9」も2000台余りと健闘した。
1位:零跑汽車
零跑汽車(Leap Motor)の5月の販売台数は前年同月比148%増の4万5067台で、3カ月連続の首位に輝いた。コストパフォーマンスの高さで零跑の代名詞となったSUV「C10」の販売台数が、1万3000台余りと全体の3割を占めた。
5月15日に発売した新型C10は、12万2800元(約250万円)からと手頃な価格ながら、800V高圧充電システム、LiDARを使った運転支援システム、高性能シャシーを搭載し、市場の注目を集めている。
2位:理想汽車
理想汽車(Li Auto)の5月の販売台数は前年同月比16.7%増の4万856台で、零跑に約5000台及ばなかった。同社は、5月に発売した高級SUV「L」シリーズ4車種のアップデート版が販売台数を押し上げ、月間販売5万台を回復するのも近い、と強気の姿勢を示している。
3位:AITO
自動車中堅の賽力斯集団(SERES)がファーウェイと共同開発したEVブランド「問界(AITO)」の5月の販売台数は、前年同月比13.2%増の3万6450台だった。
4月に発売したファミリー向けSUV「M8」が爆発的な人気を呼び、1万2116台を販売。高級SUV「M9」も、50万元(約1000万円)クラスの乗用車販売台数でトップの1万5481台を売り上げた。
4位:小鵬汽車
小鵬汽車(XPeng Motors)の5月の販売台数は前年同月比230%増の3万3525台と、7カ月連続の3万台超えを果たした。ハッチバッククーペ「MONA M03」やAI搭載車「P7+」の販売台数が伸びた。
5位:小米汽車
スマートフォン大手の小米集団(シャオミ)が手がける「小米汽車(Xiaomi Auto)」の5月の販売台数は、前月と同じ2万8000台余りだった。セダンタイプの「SU7」シリーズに続き、5月22日にはSUVタイプの「YU7」を発表、7月の発売を予定している。
6位:蔚来汽車
蔚来汽車(NIO)の5月の販売台数は前年同月比13.1%増の2万3231台だった。セカンドブランドの「楽道(ONVO)」が6281台と着実に販売台数を伸ばし、本格的に納車が始まったサードブランド「蛍火虫(firefly)」の販売台数は3680台となった。
業界最大手のBYDは5月下旬、20車種余りを値引きすると発表した。追随する大手メーカーも現れたが、新興勢を含め大半のメーカーは値下げ合戦に疲れ果てている。これを受け、中国工業情報化部と業界団体の中国汽車工業協会は、無秩序な価格競争に断固反対し、公正な市場競争を支持するとのコメントを発表した。
ある業界大手の幹部は、安さを追求するのではなく、魅力的で信頼できる車を創造するのがEVメーカーの務めだとした上で、「価格競争に未来はない。性能向上を実現してこそ道が開けるはずだ」と述べた。
新興各社も人工知能(AI)や自動運転支援機能の搭載などEVの性能向上で競い合っている。6月には上半期の累計販売台数が出そろう。どのメーカーが新興勢トップとなるのか、6月の販売台数に注目したい。
*1元=約20円で計算しています。
(36Kr Japan編集部)
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