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11月13日(米国時間)取引開始前、中国大手SNSメディア「微博(Weibo)」が第3四半期(7~9月)の決算(未監査)を発表した。
売上高は前年同期比2%増の4億6780万ドル(約510億円)で市場予測の4億6800万ドルとほぼ同水準だった。純利益は1億4620万ドル(約160億円)で、前年同期の1億6530万ドル(約180億円)を下回ったが、これも市場予測の1億4600万ドル(約160億円)とほぼ同等だった。希薄化後1株当たり利益は0.64ドル(約70円)で前年同期の0.73ドル(約80円)を下回った。非GAAPベースでの純利益は1億7610万ドル(約190億円)、希薄化後1株当たり利益は0.77ドル(約83円)だった。
ユーザーに関しては、月間アクティブユーザー(MAU)とデイリーアクティブユーザー(DAU)ともに前年同期より増加した。9月末時点で微博のMAUは前年同期比で約5100万人増の4億9700万人。そのうちモバイル端末によるMAUが94%を占めた。DAUは前年同期比で2100万人増の2億1600万人となった。同社CEOの王高飛氏は「我々はユーザー規模とアクティブ度に関して持続的な成長を維持できたことに満足している」と述べた。しかし第2四半期のMAUは4億8600万人、DAUは2億1100万人だったことを考えると、成長スピードはすでに鈍化している。
13日の取引終了後、微博の株価は1.29%下落し、終値は52.78ドル(約5700円)、時価総額は118億7700万ドル(約1兆2900億円)となった。
微博の主な収入源は広告だ。しかしショート動画のインフィード広告の影響を受け、同社の売り上げは打撃を受けている。
今期、微博の広告・マーケティング事業の売上高は前年同期比1%増の4億1250万ドル(約450億円)。そのうち、大口顧客と中小企業による広告・マーケティング売上高は前年同期3%増の3億9330万ドル(約430億円)となった。これまで、微博の売り上げの大部分はアリババから来ていたが、トラフィックをめぐる勢力図の変化に伴い、今ではアリババ傘下のECモール「タオバオ(淘宝網)」は「抖音(TikTok)」と大口の年間契約を結ぶなどより密接に提携している。
この件に関し、微博は早くからプレッシャーを感じていた。これまで微博は自身のアクセス量を利用して競争力のある製品を生み出すことはしておらず、このことが広告の収益化に悪影響を与え続けている。しかし、現時点での微博はやはりソーシャルメディアに注力することを選択。写真をメインとした「緑洲」や3D技術を利用して高級ファッションの着せ替えなどを楽しめる「ADA社区」といったソーシャルアプリを相次いでリリースしている。
このほか、今期の付加価値サービス事業の売上高も前年同期比9%増の5530万ドル(約60億円)にとどまった。決算報告では付加価値サービスの成長に関し、主に2018年第4四半期に買収したライブ配信事業の売り上げによるものとしている。
第3四半期における原価および費用の合計は2億9520万ドル(約320億円)に上った。非GAAPベースでは2億7750万ドル(約300億円)。9月末時点での同社の現金、現金同等物および短期投資の総額は23億7000万ドル(約2600億円)だった。
これらのデータから見て、微博には大きな支出があったわけではない。しかし、もしも消費者向け新製品の開発や企業向け製品において大きく進展しようとするなら、資金面でのより大きなサポートが必要だ。SNSアプリ緑洲は現時点で多くのリソースが投入されるなど、社内でも重視されている製品のようだ。
第4四半期の業績について、同社は前年同期の為替レートで計算した場合、売り上げは0%から3%増になるとみている。(翻訳・山口幸子)
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