吉利汽車、高級EV「Zeekr」を完全子会社化へ 買収総額は最大約24億ドル

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吉利汽車、高級EV「Zeekr」を完全子会社化へ 買収総額は最大約24億ドル

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中国自動車大手の浙江吉利控股集団(以下、吉利グループ)は7月15日、傘下の吉利汽車(Geely Automobile)を通じて、米ニューヨーク株式市場(NYSE)に上場する高級電気自動車(EV)ブランドの極氪(Zeekr)との合併契約を締結したと発表した。

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吉利汽車は未保有の全株式を取得し、Zeekrを完全子会社化する。取引完了後、ZeekrはNYSEから上場廃止となる予定だ。。株主は1株あたり2.687ドル(米国預託証券[ADR]は26.87ドル)の現金か、吉利汽車株との交換を選択できる。

提示された買収価格は、今年5月に示された初期案から約4.7%引き上げられた。全ての株主が現金を選択した場合の買収総額は約24億ドル(約3600億円)となり、全額を自社資金または債務調達で賄う見通し。全て株式交換となった場合には、吉利汽車は最大で約10.98億株(合併後発行済み株式総数の約9.8%)を発行する。なお、現在吉利汽車はZeekr株式の約62.8%を保有している。

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この動きは、『台州宣言』の精神に基づいて自動車事業の戦略的統合を進め、「一つの吉利」に回帰する構想で、グループ再編の一環とみられる。吉利グループは2024年末にZeekrと領克(Lynk & Co)を統合し、「極氪科技集団(ZEEKR Intelligent Technology Holding)」を新たに発足させたばかりだ。

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業界関係者は、今回の統合により吉利の新エネルギー車(NEV)事業における戦略実行力と収益力が一層高まると見ている。Zeekrの高級EV分野での技術力とブランド力が、吉利汽車の量販車分野と補完関係にあるため、製品開発、サプライチェーン、製造やグローバル展開など多方面で相乗効果が期待される。

一方で、ブランドイメージの維持、それぞれの組織体制の調整、統合に伴うキャッシュフローへの影響といった課題も指摘されている。

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*1ドル=149円で計算しています。

(36Kr Japan編集部)

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