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通常、中国産OSの発表の場で歓声が上がることはほとんどない。しかし、中国スマホ大手OPPOの「ColorOS 7」が発表された時、現場はいつもとは異なる賑わいを見せていた。
これまでOPPOのOS「ColorOS」は業界内ではあまり存在感がなかった。エレガントで操作の簡単なOSといえば、多くのユーザーがまず思い浮かべるのは「魅族(MEIZU)」の「Flyme」だろう。また、中国国内でOS作りに初めて取り組んだメーカーはシャオミ(小米科技)だ。
しかし今年、すべてに変化が起きたようだ。OPPOもその存在感を増してきた。8カ月前に「Color OS 6」が発表された際に、魅族は公式ツイッターで「OPPOとvivoが我々から半数ものエンジニアをヘッドハンティングした」と憤りをつぶやいている。
OPPOは「ColorOS 6」では大規模なデザイン変更を行い、「シームレス」なデザインをうたった。今回発表された「ColorOS 7」も同様にフラット化したデザイン言語を採用。ユーザーはまた、アイコンの形状などを細かく設定することもできる。
OPPOの「ColorOS」はアート路線を行こうとしているようだ。ビジュアルデザインに多くの工夫をこらしている。さらに「Art+」計画を発表、芸術家とコラボレーションしてユーザーに魅力的な壁紙を提供していくという。今回の「ColorOS 7」の壁紙は、伝統的文化である陶器をイメージしており、無形文化遺産に認定された芸術家を起用している。これらはハイクラスなイメージを打ち出すのが狙いだ。
ユーザー体験に関しても「ColorOS」は細部にまで工夫がこらされており、指3本を同時に画面下にスライドさせることでスクリーンショットが撮影できる機能を搭載するほか、ダークモードではアプリ利用時に背景が自動的にブラックになり、消費電力を38%押さえられる。
ファーウェイのOS「EMUI」はすでにバージョン10まで更新されており、シャオミの「MIUI」もバージョン11まで更新されている。それらと比べると「ColorOS」のバージョンアップのペースは早いとはいえず、2013年のリリースから今まででバージョン7までしか出ていない。今回の「ColorOS7」はレイアウトの改良のほか、比較的大きな変更がされている。全体テーマや画面ロック、ふせん、時計などをカスタマイズ可能だ。もちろん、ファーウェイやシャオミには早くから同様の機能があり、ここからも以前のOPPOのOSが少し遅れをとっていたことがわかる。
OPPOが行ったOSの改良はブランド全体のアップグレードに合わせたものとなっている。以前大人気だったRシリーズの開発を中止し、「Reno」シリーズでブランド力を向上させたい同社にとって、端末の外観デザイン以外にもOSのアップグレードは無視できないプロセスだ。ただ、OSのデザインは徐々に洗練されてきているものの、通知画面やカレンダー、天気などの閲覧時に表示される広告は減っておらず、これはまた中国産OSユーザーが避けられない悩みかもしれない。
(写真は公式サイトより)
(翻訳・山口幸子)
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