決済サービス企業「ラカラ」の傘下企業が中国で個人情報流出 釈明書の発表で逆風の封じ込め狙う

36Kr Japan | 最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア

日本最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア。日本経済新聞社とパートナーシップ提携。デジタル化で先行する中国の「今」から日本の未来を読み取ろう。

大企業注目記事

決済サービス企業「ラカラ」の傘下企業が中国で個人情報流出 釈明書の発表で逆風の封じ込め狙う

原文はこちら

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

続きを読む

中国の国営テレビ局「央視網(CCTV)」は先日、中国の決済サービス大手「ラカラ(拉卡拉、Lakala)」傘下の「考拉征信服務有限公司」(以下「考拉征信」)が不当な手段により利益を得ているとの疑いについて報じた。ラカラは日本でも決済関連事業を展開している。

2014年創業の考拉征信は第三者信用評価・信用管理会社であり、主に個人や中小企業の信用評価業務に従事しているほか、現在は個人信用ポイントや事業者信用ポイントなどの事業も行なっている。同社は「考拉崑崙信用有限公司」(以下「考拉崑崙」)の全額出資子会社であり、考拉崑崙の最大株主はラカラだ。

具体的には、考拉征信が川上企業からインターフェース関連情報を取得した上で一般市民の個人情報を不当に保存し、川下企業に販売した結果、一般市民の個人情報が大量に流出したというものだ。また考拉征信のサーバーからは不当に取得・保存した一般市民の氏名、身分証番号および写真が1億件以上発見・没収され、同社による身分証情報の照会件数は延べ9800万回に上り、3800万元(約5億9000万円)の利益を得たとされている。

現在は江蘇省淮安市警察が介入調査を行っており、考拉征信の川下企業である「北京黑格科技有限公司」の法定代表者、董事長、販売員、技術者など20名の容疑者が逮捕されている。

この情報が報じられると、ラカラの株価は報道当日の午後には49.29元(約760円)でストップ安となり、約20億元(約310億円)の時価総額が一瞬にして消え去った。また同社は同日夜、深圳証券取引所からの問い合わせ文書を受け取っている。

深圳証券取引所がラカラに回答を求めた5つの問題点には、今回の不当な利益取得事件に加え、ラカラの1支社および関連プラットフォームに関するものが含まれている。具体的には、ラカラ河南支社による約80億元(約1200億円)の決済額滞納、同社の関連する分割払いプラットフォーム「易分期」の高額な利息および暴力的な督促手段、およびラカラによるルールを逸脱したPOS機の販売行為に言及されている。

これに対しラカラは11月21日の早朝、深圳証券取引所で以下のような内容の公告を行った。

1.「考拉征信」に対する捜査について 当社が考拉征信を管理することは不可能
ラカラは考拉征信に対する制御、または実際的な支配を実施することはできない。ラカラの考拉崑崙に対する持株比率は32.4%であるため、ラカラは考拉崑崙に対する制御、または実質的な支配を実施することはできず、さらには考拉崑崙の完全子会社である考拉征信を制御、または実質的な支配を実施することもできない。ラカラと考拉征信は業務上のやり取りがあるものの、個人情報を利用した違法な業務活動を実施するといった状況は存在しない。

2.「ラカラ河南支社による約80億元の決済額滞納」は当社とは関連がない
ラカラは事業者のいかなる決済金も滞納していない。ラカラの元提携先企業である「上海贏客電子商務有限公司」(以下「贏客」)は、同社の運営する金融サービスプラットフォーム「買単宝」を通じて事業者に顧客誘導サービスを提供しており、ラカラは2016年1月より「買単宝」の契約事業者に対してアクワイアリング(加盟店契約業務)サービスを提供していた。しかし報道の中で事業者が述べた決算額滞納については、実際のところ贏客が出店者に約束したマーケティング奨励金や臨時奨励金の支払であり、ラカラとは関係がない上に、贏客との提携関係も2017年11月に終了している。

3.「分割払いプラットフォームの高額利息および暴力的な督促手段」は事実と相反する
分割払いプラットフォーム「易分期」業務は「西蔵考拉科技発展有限公司」(以下「考拉科技」)傘下の関連企業によるものであり、考拉科技はラカラとは別個の独立経営企業である。考拉科技傘下の関連企業は、督促方法について厳格な管理制度を設けている上、規則に従って執行しており、利用者のプライバシーも保護しているほか、暴力的な徴収行為は行っていない。また同業務には利息天引きによる貸付けや二重契約書などの行為も存在しない。

4.ルールを逸脱したPOS機の販売行為について 存在するとしてもラカラが実施したものではない
ラカラは2016年10月以降、インターネット上でのPOS機販売に一切従事しておらず、権利授与または何らかの形式に基づく外部委託業者による販売も一切行っていない。ラカラは、一部の悪質業者が当社の名義を使い虚偽の宣伝を行い、ネット上での勧誘や販売を実施するといった、当社と関係のない業務について周知しており、またこれらの行為は法令に違反している。悪質業者に対してはすでに通達を発送しているほか、一連の措置を講じている。

ラカラは「聯想控股(Legend Holdings)」に属する一企業であり、考拉征信の唯一の親会社また最大株主でもある。また同社は2011年に中央銀行から決済業務許可証を取得し、2019年には深圳証券取引所に上場しており、決済関連企業では初のA株市場への上場となった。

現時点でラカラの株価は現時点で47.45元(約740円)を付け、今も下落を続けている。
(翻訳・神部明果)

原文はこちら

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

関連記事はこちら

関連キーワード

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録