中東地域のウーマノミクス(女性経済)を狙う インテリア雑貨ECの「MuCharm」

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中国では、海外進出するECのほとんどが東南アジアとインドに注目しているが、「MuCharm」が目を向けたのは中東地域だ。

MuCharmは中東地域の女性向けインテリア雑貨を中心とするECプラットフォームだ。中国国内のサプライチェーンを基盤に、湾岸協力会議に加盟する6カ国向けのECを行い、自社ブランドも有している。

中東、女性、インテリアがMuCharmの注目するマーケットのキーワードだ。

MuCharmのCOO田佳蕾氏によると、中東各国は一人当たりの所得が高いため購買力が高い。また、若者が非常に多く、ECのような新しいものを試したいと考える傾向にある。また、同地域の女性は特にECビジネスに向いている。特にサウジアラビアでは、女性があまり外出しないため、ECが買い物需要を満たすのだという。また、小型なインテリア雑貨なら商品調達もしやすい。

厳選したSKU+地域倉庫+着払い

MuCharmのもう一つの特徴は自社倉庫保管である。自社倉庫保管により、配達の速さとサービスの品質が確保できる。その一方で、在庫数の維持という課題にも常に直面している。

MuCharmの対策はSKUを厳選することである。ヒット商品のみを販売することにより、在庫の回転率を高める。また、日用品と紡績品には耐用性があるため、在庫プレッシャーを一定程度軽減させている。

物流ネットワークについて、MuCharmは物流センター1カ所+地域倉庫1カ所の倉庫保管方式を採用している。このような2段階の倉庫を設置する目的は、配達スピードの向上とともに、中国とサウジアラビア間の物流コストを節約することにある。

中東各国では、ECが新興ビジネスであるため、消費者に好まれるのは着払い方式だ。着払い方式であるため配達できなかった約10%の商品は、一旦地域倉庫で保管してから順次再配達することが可能だ。

販促については、オンラインプロモーションが最も使われている。サウジアラビアでは、SNSアプリのSnapchatとInstagramの利用者が多い。特にSnapchatでは、プッシュした情報が24時間後に消えることから、早く見ないと見過ごしてしまうという心理が働き、情報の閲覧率は非常に高いという。

現時点ではオフライン広告はまだ少ないが、今後はオンラインより高い効果が見込まれる。サウジアラビアではオフライン広告が少ないため、オフラインで宣伝をすると非常に注目度が高くなるからだ。

今後の課題について、COOの田氏は、中東地域ではビジネスのエコシステムがまだ不完全であることが問題だと考える。例えば、イスラム国家では、ラマダーンの時に多くの企業や政府機関が休むが、その時期はECユーザーが活発になる時期でもある。よって、税関とほとんどの従業員が休んでいる間にどのように配達するのかが問題となる。また、サウジアラビアでは、住所がない家が多く、配達員は事前に電話で場所を確認する必要がある。MuCharmは、自社物流ソリューションがある中国企業と連携することにより、配達問題を解決することを目指している。また、配達先の確認のために、システムを現地のナビゲーションソフトウェアと連動させるようにしている。

政策面に関して言うと、サウジアラビアでは今年7月にEC法が公布された。取引ルールや消費者の個人情報保護条項等が制定され、現地のEC環境の規範化が期待されている。

MuCharmは日本のインターネット広告企業「株式会社アドウェイズ(Adways Inc.)」が2017年にインキュベートした会社であり、創業チームのメンバーのほとんどはAdways Inc.で長年勤務した従業員だという。
(翻訳:小六)

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