物流梱包資材の浪費に対策 IoT技術によるレンタルプラットフォーム「箱箱共用」

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大きい物流梱包資材市場

ECの発展に伴い、梱包資材の浪費という問題が顕在化してきた。生産、流通プロセスにおいて、再利用可能な梱包資材(Returnable Transit Packaging、以下RTP)のビジネス化のチャンスが現実味を帯びてきている。

過去10~20年間、RTPの再利用ビジネスは順調とは言えない。中国では、RTPメーカーのほとんどが商品の同質化、技術の単一化、および人材不足という問題に直面している。また、梱包資材のレンタルサービスを提供する企業には梱包資材を管理するデジタル技術がないため、紛失率の高さや回転率の低さが問題になっている。

環境に優しい再利用サービスとそのスマートレンタルプラットフォーム

「箱箱共用」は「上海鴻研物流技術有限公司(Horenplastic、以下「鴻研物流」)」のRTPレンタルプラットフォームである。箱箱共用は自社開発した梱包箱にIoT位置測定ICタグを装着しデータを収集する。IoTプラットフォームを通じて、レンタルサービス以外に、箱の再利用、箱と貨物の同時管理等のスマートサービスを提供する。

鴻研物流は2013年に設立され、IoT技術に基づき物流梱包のスマート再利用とレンタルサービスを提供するプラットフォームを構築している。

創業者兼CEOの廖清新氏は、鴻研物流の発展が、商品—ソリューション—サービス化といいうように、スマート化の3つの段階を経ていると説明する。

第1段階は再利用可能な梱包箱の研究開発を中心とする。第2段階は各業界のユーザー向けソリューションを提供する。第3段階は2017年に創設した「箱箱共用」というレンタルサービスブランド。同サービスはオフラインではセンター倉庫+サービスセンターを中心に、配達、洗浄、回収を行うレンタルシステムを構築している。

鴻研物流ではIoT技術に基づき、ビッグデータの分析により「箱箱共用クラウド管理プラットフォーム」を作り、IoT位置測定ICタグを装着した箱の所在地と状態を随時モニタリングができる。

また、収集したデータを利用し、「協同循環」(梱包箱の再利用)と「箱貨共管」(箱と貨物の同時管理)を2つの追加サービスを提供する。

「協同循環」はデータの分析結果に基づき、繁忙期と閑散期における箱の再利用方法の予測とアドバイスをするサービスだ。「箱貨共管」は、梱包箱をレンタルする顧客にデータを入力してもらった上で、荷主が輸送中の貨物データをいつでも確認できるようにするものだ。

現在、上記2つのサービスは、ユーザーを早く増やすために無料で提供されている段階だ。

箱のIoTによるデータサービス

鴻研物流が箱のレンタル+ソリューションを提供するのには、企業の運営のための収益確保のほか、データを集めるという目的もある。

現在、鴻研物流は年間20万個の箱を生産できる工場を2カ所持っている。また、自社のRTP商品を仕入れた外部のレンタルサービス事業者向けに、データサポートサービスを提供している。

CEOの廖氏は、現在は顧客はまだオフラインでのレンタルを好んでいるが、今後はオンライン化とデータ化が進む趨勢であると指摘する。そのため、スマート化とデータ化を重視していることが同業他社との差異点になっているという。

鴻研物流のIoTおよび物流梱包ソリューションに関わるハードウェア開発チームには約80人、クラウド管理プラットフォームの開発チームには約30人のメンバーがいる。これまで取得した特許は300を超える。現時点では、シリーズCでの資金調達が完了しており、リードインベスターは、「中美緑色基金(U.S.-China Green Fund)」だ。
(翻訳:小六)

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