INCE Capital:   投資には「冬」なんてない、逆境だからこそ偉大な企業が誕生する

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11月26日午前、北京で経済フォーラム「WISE2019新商業大会」の一環としてイベント「風向峰会」が行われた。その中で「渶策資本(INCE Capital)」の創業パートナーの胡斌氏が、ここ1年間の中国ベンチャーキャピタル業界の投資低迷について、講演を行った。

講演の概要は次の通り。

まず、渶策資本について説明しよう。渶策資本は元「啓明創投(Qiming Venture Partners)」パートナーの甘剣平(JP Gan)氏と胡斌(Steven Hu)氏により2019年7月に設立された。初のファンド募集で3.518888億ドル(約383億円)を調達した。同社は、主に中国のインターネット小売りとスマート技術分野での早期および事業拡大段階における投資を行っている。現在北京、上海、深圳と香港にチームがある。

現在、中国では、ベンチャー投資業界に「冬が来た」と言われている。数字を見てみよう。例えばこれ(下図参照)は2000年3月1日のナスダック指数だ。

2000年は、中国のインターネット企業が上場を開始した年だ。最初は中華網(china.com)、その後、「新浪(sina.com)」、「搜狐(Sohu.com)」、「網易(netease)」も順次ナスダックで上場した。そして、しばらくすると、ITバブルがはじけた。

しかし、この低迷期に、多くの大企業が誕生した。例えば、カーライルグループが「携程(Ctrip)」に、ソフトバンクがアリババに出資したことなどが好例だ。そして、2019年8月、たくさんのLP(リミテッドパートナーズ)が我々に出資した。

2000年のこのナスダック指数の図を見れば、流通市場は低迷しておらず、全体的には上昇トレンドだということがわかる。しかし、なぜその時期の投資が低迷していると言われるのか。その主な理由は、発行市場が冷めているからだ。当時、その前の3、4年間は投資が過熱状態だったのだ。

我々が注目しているのは、インターネットと消費の分野であり、その分野への投資を強く支援する。産業インターネットの時代が来たと考えてはいるが、だからといって消費のインターネット時代が終わったとは思わない。

多くの分野で、まだ消費はレベルアップしつつある。それらはこれまでの10年ではまだ成長のタイミングが来ていなかった分野だ。例えばペット産業。今年の大手ECサイト「天猫(T-Mall)」の双11(ダブルイレブン)のセールの輸入商品の激戦の中で、売り上げがトップだったのがキャットフードで、次が乳児用ミルクだった。人間より、猫にかけるお金のほうが多いのだ。これは消費のレベルアップの典型例で、5年や10年前まではなかった現象だ。今後も非常に将来性がある分野だと思われる。

また、消費者の変化にも注目している。1995年以降生まれの若者は、消費のレベルアップに対してわれわれと異なった新しい理解をしている。彼らはSNSの「微信(Wechat)」を親や学校の先生との連絡や、支払いをするツールに過ぎないと思っている。今後、彼らが自らを表現するために、新しいツールを使うようになることが予測できる。

渶策資本は引き続き2C(消費者向け)ビジネスをサポートする。今後も2C業界の企業のリーダーたちと深く議論し、協力関係を築くチャンスを探りたい。

一言でいえば、我々は今を「投資の冬」と考えていない。経済が低迷している今こそ、企業の内部調整、および新しい会社が誕生する最もよいタイミングだと考えている。

(翻訳:小六)

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