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3月3日の香港株式市場では、アリババ傘下で医療・ヘルスケア関連のネットサービスを手がける「阿里健康(アリヘルス)」の株価が同日昼休みの時点で前日終値から11.44%上昇し、1株あたり16.36香港ドル(約226円)となった。これは、2月10日以来最大の上げ幅である。
この株価高騰の背景には、政策が関連していると考えられる。中国国家医療保障局と同国家衛生健康委員会は2月28日付けで、新型肺炎の流行に伴い、ネット医療機関による一般疾患や慢性疾患に関するオンライン再診も医療保険の適用対象に含めるという方針を明らかにした文書を共同発布した。検診に加え、オンラインでの処方箋発行及び薬の購入にも医療保険が適用されるとなれば、医療関連O2Oサービスや処方箋共有プラットフォームの成長には追い風となる。また診察受付から始まり、診察、薬の購入、医療保険の申請、処方箋薬の配送・受け取りまでというプロセス全体の総オンライン化にとって有利に働き、オンライン医療サービスのユーザー体験も向上するだろう。
阿里健康の前身は、アリババグループが投資した医薬品ネット情報大手「中信21cn」であり、その後阿里健康に名称を変更した。2015年、アリババは自社B2C通販サイト「天猫(Tmall)」の医薬品事業を阿里健康に移し、更に医療事業を強化した。
現在同社の事業は、医薬品のネットおよびニューリテール式販売以外、オンライン医療サービス、ヘルスケアソリューション、スマート医療技術などの分野まで拡大している。2018年、電子決済アプリ「アリペイ」1つで来院の予約・受付から支払いまで診療の全プロセスを完了できる次世代プロジェクトーー「未来医院(未来病院)」を浙江省杭州(アリババ本社所在地)にて開始した。
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