テスラをライバル視する「ルシード・モータース」が量産を再開 最初の車種は高級EV車

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テスラをライバル視する「ルシード・モータース」が量産を再開 最初の車種は高級EV車

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最近、米国のEV車スタートアップ企業「ルシード・モータース(Lucid Motors)」の米国アリゾナ州における7億ドル(約760億円)を投資する工場建設計画が現地政府から許可を得たという。当該計画によると、Lucid Motorsは2020年末までに、Lucid Air高級EV車を生産を開始する。同社では次の車種もすでにデザイン中だという。

Lucid Motorsは元の社名をAtievaといい、2007年に米国カリフォルニア州で設立された、テスラの元副総裁兼取締役の謝家鹏(Bernard Tse)氏とオラクルの元高級管理職だったSam Weng氏が創立したEVメーカーである。設立当初はEV車とプラグインハイブリッド車向け電池パックを製造していたが、その後、高級EV車へと方向転換した。

バッテリーマネジメントに関する技術における優位性により、2014年に、製品未完成の段階で、「北方汽車(Beijing Automotive Industry Holding)」が同社のシリーズCの資金調達に参加した。

2016年、AtievaはLucid Motorsに社名変更し、2016年末に、最初の車種Lucid Airを発表した。公式情報によると、販売価格は6.5万ドル(約710万円)からで、0から100km/hへの加速時間が2.5s、1回の充電での最大航続距離が643kmを超えるという。

しかし、資金の問題により、上記車種は予定通りに量産ができなかった。2018年末に生産開始を予定していたアリゾナ州の工場の稼働が延期され、北方汽車と連携して計画した、テスラのModel Sのライバルと位置づけた車種の生産プロジェクトも中止になった。2016年、北方汽車はLucid Motorsの株の持分を全て売却した。

Lucid Motorsの自動車生産計画は一時的にストップし、2017年にはフォードに買収を要請したこともある。昨年9月にサウジアラビアのパブリックファンド「PIF」から10億ドル(約1100億円)を戦略投資として調達できたことで、ようやくLucid Airの量産計画を再開することに至った。

中国の「蔚来汽車(NIO)」や「拜騰(バイトン、BYTON)」等のEV車メーカーが設立当初から全世界に拠点を置くのと異なり、Lucid Motorsは初期段階においては、米国にフォーカスする予定で、米国で世界No.1の車を製造することを目指すと話した。

自動車業界はLucid Motorsの今後の発展に期待を寄せるが、2年も経過したことから、EV車メーカーの競争環境が大きく変わった。今年の10月までに、テスラの新車出荷台数は米国新エネルギー車市場の78%を占めるに至った。更に、テスラの工場は、中国、米国、ドイツで稼働されている。このような背景の下、Lucid Motorsがテスラを追い越すのは難しいかもしれない。

(翻訳:小六)

 

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