カーシェアリングが失速、コスト問題で大手も苦戦

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カーシェアリングが失速、コスト問題で大手も苦戦

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カーシェアリング業界は2017年から2019年にかけて、雲の上から谷底まで急降下するような体験をした。グローバル大手企業も例外ではない。BMWとダイムラーの合弁会社でカーシェアリング事業を手掛ける独「ShareNow」は12月、運営コストの高さを理由に北米から撤退し、欧州でも事業を縮小すると発表している。

今年に入ってからカーシェアリング業界は薄氷を踏むような状態となっている。資金繰りの悪化やカーシェアリング用自動車の大量廃棄といった問題が次々と明らかになり、カーシェアリング事業者が運営面と資金面で非常に大きなプレッシャーにさらされる中、保証金の返金滞納に関連したユーザーからのクレーム問題は多くの企業に「致命的な一撃」となった。

保証金を返せず、生死の瀬戸際でもがく

保証金を返せないという問題は、カーシェアリング事業者とユーザーの間に成り立っていたもともと脆弱な信頼関係を壊しつつある。2018年下半期(7~12月)には、中国カーシェアリング業界のスター企業だった「途歌(TOGO)」が間もなく倒産するとのニュースが伝わった。

カーシェアリング 画像提供:Pexels

途歌はすでに、1日当たり15人のユーザーにしか保証金を返せないことを明らかにしている。全てのユーザーに返金するには、少なくとも365年ほどかかる計算だ。しかも途歌のアプリはすでに運営を停止し、公式サイトにもアクセスできない。つまり、返金を申し出ていないユーザーは、永久に保証金の1500元(約2万3000円)を取り戻せない可能性がある。

シェアサイクルサービス「ofo」の元幹部である鐘飛氏はメディアに対し、カーシェアリングやモバイルバッテリーシェアリングなどのシェアリングエコノミーでは、保証金の流用が常態化していると語っていた。

中国政府は2019年5月、シェアリングエコノミーの保証金を原則的にユーザーから受け取らないよう企業側に求めた。仮に保証金を徴収する場合、運営企業は事前にユーザーに告知すると共に、運営企業の専用預金口座もしくはユーザー個人の銀行決済用口座のどちらに保証金を預けるかユーザーに選んでもらう必要がある。また、管理当局は悪質な運営企業を関係者と共に罰することとした。

政府による監督管理の強化で、カーシェアリングに対するユーザーの信頼感はある程度回復した。自動車リースの「聯動雲(LD)」は最近、銀行との提携を発表し、シェアリングサービスの保証金を銀行に預け、ユーザーへの返金または利用料金の不足金として差し引く以外には手を付けない方針を明らかにしている。

巨額の投資、収益には見合わず

シェアサイクルに比べると、自動車の単価は非常に高い。大規模なカーシェアリング事業者は毎年、自動車の購入に数十億元(数百億元)を充てている。加えて車両保険、車両のメンテナンス、駐車場、技術開発には多大な費用がかかる。

巨額を投じてもそれに見合った収益を得られるわけではない。カーシェアリングの収益モデルが非常に単純で、収入源が利用料金くらいしかないためだ。またコスト的な問題から、多くのカーシェアリング事業者が購入する車種は一般的にグレードが低く、利用者が満足感を得るのは難しい。

さらに空車がみつからない、航続能力が低い、返却が不便といった問題がユーザーの利用体験に影響を及ぼしている。カーシェアリング用自動車が大量に廃棄されている「墓場」の存在が各地で明るみに出たことも、ユーザーがカーシェアリングに抱くイメージを悪化させた。

再びブームを起こす企業は

カーシェアリングは、都市の交通渋滞を緩和するのはもちろん、自動車移動を必要とするユーザーにも便利なサービスで、利用可能なシーンはもっとありそうだ。

画像提供:Pexels

カーシェアリングサービス「GoFun」の関係者は自動車関連メディアの「未来汽車日報」に対し、「カーシェアリングができることは非常に多く、想像の余地はまだある」と話した。コネクテッドカーや自動運転技術の発展に伴い、カーシェアリングは、当初のレンタカーのようなものからモビリティサービスの重要な一部分へと進化した。自動車メーカーや中古車業者、保険会社に対し、カーシェアリングプラットフォームはセールスリードやユーザーの利用データを提供し、自動車産業チェーンの一部となっている。個人ユーザーも、普段使わない自家用車の運用をカーシェアリングプラットフォームに委託すれば、資産の有効活用が可能となる。

自動車生産、投入・運営、アフターサービス、金融、保険、中古車売買などの自動車産業チェーンにおいて、カーシェアリングは全てに関与することができるため、「自然のアドバンテージを持っている」と言える。

しかし、カーシェアリングは決して間違ったサービスではないが、どのように市場を育成して利益を上げるかという問題に対する答えは出ていない。

作者:「未来汽車日報」(Wechat ID:auto-time)、秦章勇

原文記事: https://36kr.com/p/5277687

(翻訳・神戸三四郎)

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