大型トラック用サブ電池を「IoT・リチウム化」 CATL出身者の新興に脚光

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大型トラックのエンジン停止時に冷暖房などの電力を担う「サブバッテリー」の分野では、鉛蓄電池からリチウムイオン電池への転換が加速している。車載電池最大手CATLの初期メンバー鄒海氏が2024年9月に立ち上げた「儲益青新能源(Power Vance)」は、このニッチな巨大市場に狙いを定め、IoT技術を融合させた独自の電池戦略で急成長を遂げている。

駆動用電池や大規模定置型蓄電池の分野では、資本力のある大手による激しい競争が続いている。これに対し、鄒氏はトラック用サブバッテリーを「大手との直接競合を回避できる特化型市場」と位置づける。2023年末時点で、中国のトラック保有台数は1200万台を超え、そのうち500万台以上が省をまたぐ長距離輸送に携わっている。1台あたり数万円という単価を考慮すると、潜在的な市場規模は極めて大きい。

「燃料費削減」と「車両管理」を両立

長年主流だった鉛蓄電池は、寿命が短くエネルギー密度も低いという課題があった。同社はこれに代わるリチウムイオン電池を展開し、全製品に4G対応のIoTモジュールを標準搭載。電圧や温度、残量などのデータをリアルタイムで送信し、遠隔監視や異常の予兆検出を可能にした。現在、2つのシリーズで5製品が開発されており、うち4製品がすでに量産されて車両への搭載が進んでいる。

長距離輸送用の中・大型トラック向け「啓駐宝」シリーズは、エンジン始動と駐車時のエアコン使用という2つの用途をカバーしている。アイドリングストップ状態でも長時間のエアコン使用が可能で、燃料消費を大幅に抑制する。月間で数千円規模の燃料費を節約できるほか、ドライバーはスマホアプリでバッテリー残量をいつでも確認できる。

もう1つの「勁速宝」シリーズは、物流大手の跨越速運集団(Kuayue Express)と共同開発したカスタム製品だ。全車両の電力使用データをリアルタイムで監視し、電池や車載設備の故障を事前に予測することで、計画的なメンテナンスが可能になる。走行中のトラブルを防いで、物流効率や安全性の向上にもつながる。跨越速運集団は、保有する数千台のトラックについて、儲益青の製品への切り替えを順次進めていく計画だという。

儲益青のサブバッテリー

儲益青は製品の信頼性を担保するため、全ての製品にCATL製の電池セルを採用し、5年以上の製品寿命を保証している。独自開発の電池管理システム(BMS)とスマートアルゴリズムを組み合わせることで、高い検出精度と安全性を確立した。

さらに、間もなく量産が始まる新製品「補電宝」では、新たな制御方式の採用により開発コストを約40%削減した。同社はこの技術を応用し、商用車の「マイルドハイブリッド(HV)化」を推進、より広範な輸送シーンへの対応を目指す。

今後は、電池を軸とするエコシステムを構築して、より多くの顧客にカスタム製品を提供するとともに、中小規模の蓄電分野にも事業を拡大し、物流業界のDX(デジタルトランスフォーメーション)スマート化を後押しする方針だという。

*1元=約22円で計算しています。

(翻訳・畠中裕子)

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