Zoom創業者対談、「ユーザーが考えずに使える製品を作ることが大事」

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Zoom創業者対談、「ユーザーが考えずに使える製品を作ることが大事」

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2019年に開催された「GGV Evolving Enterprise(GGV企業インターネット変革大会)」で、GGVキャピタルのマネージングパートナーである童士豪(Hans Tung)氏が、ビデオコミュニケーションサービス「Zoom」創業者のEric Yuan(袁征)氏と対談した。

Zoomは2011年に設立。シスコやSkypeといった老舗ビデオ会議システム企業と競争しながら成長し、2019年4月には米NASDAQ(ナスダック)に上場した。現在の時価総額は20億ドル(約2200億円)近くに上る。

対談の内容は以下の通り(一部抜粋)。

ユーザーが考えずに使える製品をつくった

童氏 「Zoomをつくる時、すでにSkypeのような成熟した製品がある中で、どうすれば成功すると考えたのか」

Yuan氏 「どちらも会議ソフトウエアだが、中身は異なる。例えば、フォードとテスラは同じ自動車でもエンジンが全く違う。Zoomはビデオがメインで、ビデオを使って会話をしたいユーザーにとって、最も簡単かつ効率的なソフトとなる。ユーザーが気に入れば生き残ることができ、その市場はとても大きい」

「われわれは毎日、ユーザー体験について話し合っている。例えば、使うのにクリックが4回必要なソフトがあれば、われわれはクリックを2~3回に簡略化する。これはとても単純だが大切なポイントだ」

「新しいサービスを利用する時、ユーザーは常に製品の使い方を学ばなければならない。Zoomは、わずかなガイダンスで使い始めることができる。シンプルで簡単なため、ユーザーは何も考える必要がない」

文化的な違いは複雑な問題ではない

童氏 「Zoomの社員は国際色が豊かだ。しかし、文化の違いが多くの問題を生む。例えば米国人社員は、会議を開いてどうすべきかを話し合い、全員の共通認識をまとめなければならないと考える。一方で中国人社員は、まずは製品をリリースして、ユーザーから悪いフィードバックがあった場合に素早く修正すれば済むと考える。Zoomはどのようにこのバランスをとっているのか」

Yuan氏 「とても良い質問で、われわれは毎日そのような問題に直面している。まず大切なのは、あらゆる事柄をオープンにすることだ。全ての事を全員が知る。企業を存続させるために、私は最速で物事を進めたい。大手顧客がサービスを求めている時、全部門の理解を得るまで待つことはできないため、物事を正確に伝えれば問題ないと思う」

「異なる民族、異なる背景で成り立つ社内文化はそれほど複雑ではなく、オープンにすればほとんどの物事は解決できる」

中国の起業家はとても素晴らしい

童氏 「あなた自身は成功したCEOだ。中国や米国のCEOのなかで、誰が素晴らしいと思うか」

Yuan氏 「まず、われわれはまだ自分たちが成功したとは思っていないことを伝えたい。企業が上場し、その5年後も経営が順調であれば成功したと言うことができる。上場は小さなマイルストーンに過ぎない」

「米国には多くの成功者がいて、なかでもマーク・ザッカーバーグ氏は若いのに非常にうまくやっている。ジェリー・ヤン(Yahooの共同創業者)氏も成功した。中国では競争が激しく、B2Bが始まったばかりだが、『バイトダンス(字節跳動)』の張一鳴氏や『美団点評(Meituan Dianping)』の王興氏はとても順調に大きなビジネスを生み出した。競争が激しい中で実績を上げているのは、とても素晴らしいと思う」

童氏 「10年前のあなたに会ったら、どのようなアドバイスを送るか。現在の道に向かうよう後押しするか」

Yuan氏 「10年前を振り返ると、私は大企業をもっと早く退職して、すぐに起業すべきだったと思う」
(翻訳・神戸三四郎)

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