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アリババ系スーパー「盒馬(Hema Fresh)」が、ついに農家との契約栽培を開始した。
アリババグループの副総裁であり、デジタル農業事業部CEO、盒馬事業グループCEOでもある侯毅氏が、2018年10月にイベントに出席した際、「ニューアグリカルチャーはニューリテールと完全に結びつくことによって、将来的に巨大なブルーオーシャン(競合相手のいない未知のマーケット)となるだろう」と述べた。
現在、盒馬は「中化集団(Sinochem Group)」と共同で、盒馬が農業に進出して初めての成果とも言うべき「葲荭草苺」というイチゴを販売している。
提携相手の中化集団が所有するイチゴ畑は中国全土に14カ所、総面積約67ヘクタールだ。イチゴの栽培は簡単ではないが、標準化されたハイテク栽培によって、粒の大きさ、糖度、栄養成分など基本的な規格を満たすイチゴを生産している。イチゴは輸送に注意が必要な果物で、皮の分厚いブンタンなどとは違い、ちょっとの衝撃ですぐに傷んでしまい、廃棄しなくてはならなくなるため、摘果後すぐに大きさ別に分けて箱詰される。大きさごとに箱詰めすることにより、規格に沿った粒の大きさも保たれる。
現在、中国全土にある14のイチゴ生産基地では、摘果後12時間以内に最寄りの盒馬店舗へ輸送している。盒馬会員は店舗またはアプリで、摘みたてのイチゴを簡単に購入できる。
この流通プロセスは、関係者すべてに利益と効率化をもたらした。この流通プロセスが優れている点を個別に挙げてみよう。
1. イチゴ農家:盒馬の固定需要がある(もちろん、この段階ではどれくらい注文があるかはまだ確定していない)ので、植え付けする農家は極めて大きな生産確実性を得られる。生産農家の労働時間、栽培規模、植え付けサイクルが固定化され、生産効率と利益保障の確実性も達成される。
2. 中化集団:イチゴ農家の栽培技術のスタンダード化、育成、管理を担当するには、中化集団のような大規模アグリテックによる新しい統合プラットフォームが必要だった。
3. 盒馬:以上各方面の努力による成果、すなわちイチゴを、盒馬が唯一無二の高級生鮮食品として全国のオンライン / オフライン店舗に絶え間なく供給する。さらに、盒馬のデータ力を活かし、新鮮なイチゴを畑から消費者の手元まで届ける経路と時間を正確に計算することにより鮮度を保証する。これにより、高級志向の盒馬会員を満足させ、売上を伸ばす。
4. 消費者(盒馬会員):非常に新鮮な果物が買える。
小売企業、特に生鮮食品小売プラットフォームでは、生産拠点に関わることなくビジネスを行うことも可能だ。しかし、小売企業がサプライチェーンや農家との関係、農産物供給、流通効率全体の見直しのため、生産者に敢えて関わろうと試み、そしてそれが成功したならば、結果は生鮮食品販売の将来の収益に反映される。
盒馬が新しい農業の追求を決定した理由はこれだ。
(翻訳・永野倫子)
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