設備の異常を事前に「聴診」 音響学技術で産業設備を効果的にメンテナンス

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設備の異常を事前に「聴診」 音響学技術で産業設備を効果的にメンテナンス

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予知保全(Predictive maintenance)はインダストリアルインターネットをめぐる重要な応用例となっている。設備保全の方法はこれまで主に受動的な故障修理や定期的な人的巡回検査によるものだった。予知保全が登場したことで、設備利用率の向上や確実な継続利用を実現し、企業の生産効率を引き上げると同時に、設備の故障率や保全費用を引き下げることが可能となった。

2019年9月創業の「瑶声科技(Yaosoundtech)」は、音響学技術で産業設備の予知保全検査市場に切り込んだテック企業だ。同社の核心技術は中国科学院音響学研究所をルーツとし、創業者でCEOの肖瑶氏は同研究所で博士学位を取得しているほか、米ジョージア工科大学の客員教授を務めた人物だ。他のメンバーも同研究所や清華大学、米パデュー大学、ノルウェー科学技術大学などの出身で、7割が博士学位を保持している。

現時点で、瑶声科技の主要製品はアコースティックカメラ、産業用聴診設備および専門家診断システム、マイクアレイソリューション、スマート吸音設備、音声映像一体化ソリューションの五つだ。活用シーンには、産業用設備の稼働状態のモニタリングと予防、軌道交通などの公共空間における安全予防、スマートデバイスのインタラクティブ体験の最適化、騒音の吸音などが含まれる。そのうち、産業用聴診設備および専門家診断システムは、主に産業用設備のモニタリングや故障モニタリングの分野で活用されている。

故障診断システムの管理画面

予知保全が真の意味で導入され、顧客にとっての価値を生み出すには、データ基盤とアルゴリズムモデルという二大条件を備えている必要がある。

データに関しては、市場には現在、産業用設備のデータを収集できるセンサーが数多く存在する。瑶声科技が収集するデータは主に音響データであり、一つまたは複数のマイクアレイを通じて音声信号を繰り返し収集する。こうした非接触型のモニタリングは、他のモニタリング手段と比べてよりフレキシブルな上に、生産や設備の停止をしたり、設備を分解したりする必要もなく、設置もよりスムーズだ。

アルゴリズムモデルに関しては、機械の異音の物理的特徴に関するデータセットを定義している。これには時間、周波数、エネルギーなど複数の物理量および複数の物理量の間の線形・非線形データの組み合わせが含まれ、同特徴データセットは摩耗、緩み、疲労、亀裂などの典型的な損傷にみられる異音の特徴をカバーし、正確な識別を実現している。産業用聴診設備の設置は、測定する作業場の適切な位置に置くだけで完了し、測定対象設備との機械的または電気的な接続が不要であり、診断サービスシステムも顧客の自前サーバーまたはクラウドサーバーにインストールするだけで済む。

肖氏によれば、同社のコアコンピタンスおよび技術的優位性は、機械の原理に対するソフトウエア側のアルゴリズムによる理解と固有値の抽出にある。同社は音響センサーの設計、アレイ信号処理、自己適応型異音識別アルゴリズムを含む一連の仕組みを自主開発しており、機械設備の故障診断とメンテナンスに関する振動・音響工学に基づくフルスタックソリューションを有している。このほか、瑶声科技の製品は顧客の既存設備と組み合わせて使用でき、ソリューションの統合・体系化が実現する。例えば、マイクアレイと公共場所における映像モニタリング設備を音声・映像一体化設備として設置し、公共空間におけるスマートセキュリティ機能を実現することができる。

このほか、同社の客単価の高さも市場競争力の一つとなっている。国外の類似のアコースティックカメラメーカーの提示価格は30~100万元(約470~1600万円)で、ハードウエアコストは相対的に低いものの、主にアルゴリズムモデルなどの知的財産権により価格が跳ね上がっている。瑶声科技は「品質も良く、価格も妥当な」国産ソリューションを提供できる。

市場開拓に関しては、同社の技術者は学術界や工業界での長年の経験を有し、複数の科学機関や企業との共同プロジェクトを実施してきたため、この点が市場を開拓する上での重要なリソースとなっている。同社は、ギア、ベアリングなどの回転式機械およびレールといった音響学の応用価値が高いシーンに切り込んでいる。現在すでに高速鉄道、鉄道レール故障モニタリング、地下鉄、電力、鉱業および産業自動化制御設備などの国有・民間企業数社との間で提携に関する基本的な合意に達している。現在はエンジェルラウンドでの資金調達も実施中だ。
(翻訳・神部明果)

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