リアルタイム音声と動画で授業の双方向性を高める「Agora」、オンライン教育向けにソリューション提供

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リアルタイム音声と動画で授業の双方向性を高める「Agora」、オンライン教育向けにソリューション提供

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2014年以降、オンライン教育業界は著しい発展を遂げている。しかし、急速に成長している一方、サービスの質の低さや高い集客コスト、生徒数の伸び悩みといった問題が山積している。

そうした中、講師側からの積極的な働きかけを通じて、生徒のユーザー体験を最適化するインタラクティブな授業が解決策として注目を集めている。ただ、そのためには音質や画質の改善、マイクのスムーズな切り替え、ホワイトボードの高速同期等の課題をクリアしなければならず、安定した音声・映像のリアルタイム通信技術が求められる。

2014年創業の「声綱Agora(Agora.io)」は、ビデオ通話、ライブ配信のリアルタイム通信フレームワークを開発する企業だ。同社は、教育、SNS、金融、医療、IoT等の業界向けにサービスを展開しており、特に教育分野では、「VIPKID」や「好未来(TAL Education Group)」等、中国の大手オンライン教育企業をはじめ、様々な顧客にカスタマイズされたソリューションを提案してきた。また、同社は中国国内の小~中規模の地方都市においても通信ネットワークの最適化を行い、国や地域を超えた教育体験を可能にしている。現在、Agora.ioは世界の200以上の国や地域で利用されており、1日あたりの平均通話時間は6億分に達している。

Agora.ioパートナー兼SVPの李華氏は「オンライン教育ソリューションの最大の特徴は、ネットワーク全体の質と耐障害性に対し高いレベルのものが求められる点だ」と語る。こうしたニーズを受け、Agora.ioが打ち出したのが「A+PaaS」ソリューションである。Agora.ioの根幹をなすPaaS(Platform-as-a-Service)では、自社構築のソフトウエア定義ネットワークSD-RTN(Software Defined Real-Time Network)が最も効率的なルーティングパスを自動的に選択するアルゴリズムにより伝送品質を向上させる。一方「A+」の方では、オンライン教育サービス業者がAPIインターフェースを介したパーソナライズ設定を行える。

Agora.ioが提供しているオンライン教育ソリューションの例を挙げよう。

• マンツーマン授業の場合:分散アーキテクチャを採用し、海外にいる講師とのマンツーマン指導等におけるネットワーク伝送問題を解決する。同時に、世界規模のネットワーク最適化によってカバレッジを拡大する。

• 小規模クラス(1対4または1対6)の場合:自動調整機能によって、音声や講師のネットワークを優先させるほか、ローエンド機器に対し最適化を図り、CPUの使用率を下げる。

• 大規模クラスの場合:多人数が同時に受講しても、システムは99.99%の高可用性と低遅延を維持する。また、HTML5をサポートしているため、特別な設備を購入する必要がない。

• 複数講師による授業の場合:ローエンド機器でも極めてスムーズな1080p 60fps映像を視聴できる。

上述した基本サービスに加え、顧客のニーズに合わせたパーソナライズされたソリューションも提供される。また、サービス向上のため、Agora.ioはビデオ通話やライブ配信の情報をトラッキングして必要なデータを集めている。

より多くのオンライン教育サービスがリアルタイムかつインタラクティブな授業を実施できるように、Agora.ioは、従来の通信事業者と同様、1分単位の従量課金システムを採用している。

創業者兼CEOの趙斌氏は、Web会議システム「Webex(網訊)」の創業エンジニアであり、ライブストリーミングプラットフォーム「YY(歓衆時代)」の元CTOでもある。CTOの陶思明氏は、YYのテクノロジープラットフォーム部門トップや技術委員会主席を務め、十数年にわたりライブ動画やストリーミング技術の研究に取り組んできた。CSOの鐘声博士は北京大学出身で、コンピュータービジョン、画像処理、人工知能の分野で100あまりの特許を取得している。
(翻訳・桃紅柳緑)

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