車両利用率70%向上、貨物運送向け物流サービスの「中交興路」が新ソリューション発表

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車両利用率70%向上、貨物運送向け物流サービスの「中交興路」が新ソリューション発表

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道路貨物運送業向けの製品とサービスを提供する「中交興路(SINOIOV)」は昨年11月、ネットワーク貨物運送業のソリューションを発表した。主に「生産・製造」、「大口商品」、「貿易・小売・卸売」、「幹線・支線輸送」という四大業界の荷主と物流企業に対し、特定区域管理、運送監視、全リンクデータのモニター監視という3つの重点業務のソリューションを提供する。

中交興路は「車のインターネット(IoV)ビッグデータ」を扱うテクノロジー企業だ。現在すでに600万台余りの大型貨物車と接続し、車両の測位や走行ルートなどの物流シーンに関する多角的なビッグデータを収集すると共に、それらのデータをもとに決済や保険などのサービスを提供。同社はまた「全国道路貨物運送車両公共監督・サービスプラットフォーム」の運営者でもある。

今回発表されたソリューションのベースとなる技術アーキテクチャは、アリババクラウド(阿里雲)のインテリジェント・セキュリティソリューションと中交興路の物流シーンビッグデータで構成される。アプリでは、中交興路は標準化された汎用プラットフォームを提供しており、サプライヤー企業と運送能力の需給をマッチングすると同時に、決済や保険などのサービスも手掛ける。また、業界ソリューションの機能をモジュール化し、荷主企業にTMS(輸配送管理システム)を含む機能をカスタマイズして提供する。

大口商品、貿易・卸売・小売、幹線・支線輸送、生産・製造という四分野においては、物流・運送段階の手配方式が複雑で、デジタル化が進んでいないなどの問題が一般的となっている。例えば運送計画だけでも、企業は目的地に応じた混載、効率的な輸送経路、複数地点での荷卸しなど多くの事柄を検討する必要がある。人的管理に頼る従来の方式は、安全管理能力の低さ、輸送効率の低さ、輸送コストの高さという結果を招き、運送車両の荷待ち時間は平均2~3日に上るのが現状だ。運送車両が出発すると、企業はその走行状況を把握できず、商品の横流しや貨物の入れ替えといった違反行為を管理するのが難しいため、貨物のリスクは高まる。

中国の交通運輸部と国家税務総局は昨年9月、「ネットワークプラットフォーム道路貨物運送経営管理暫定弁法」を発表。ネットワーク貨物運送経営者によるビッグデータやクラウドコンピューティング、衛星測位、人工知能などの技術を通じた資源再編を奨励し、規模化および集約化された運送の実現で物流業のコスト低下と効率向上を促進する方針を打ち出した。中交興路が今回発表したネットワーク貨物運送業のソリューションは、まさにこの政策に呼応するものだ。

中交興路のソリューションはすでに業界で利用されている。代表的顧客の鉄鋼メーカー「栄程鋼鉄(ROCKCHECK)」は中国500強企業の一つで、年間輸送量は1000万トンに上る。ソリューションの利用から2カ月で、指標となる荷待ち時間だけをみても、以前の2~3日から6~8時間に短縮するという約80%の改善をみせ、車両の利用率も約70%に上昇したという。

(翻訳・神戸三四郎)

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