AIで店舗デジタル化支援の「Aibee」、シリーズA1で80億円を調達 次のユニコーンへ

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従来型の実店舗向けにAI技術を駆使したトータルソリューションを提供する「愛筆(北京)智能科技(Aibee)」がこのほど、シリーズA1で7400万ドル(約80億円)を調達したと発表した。リード・インベスターは「鍇明投資(ClearVue Partners)」と「芯動能投資(Beijing Singularity Power Investment Fund)」、コ・インベスターは「金沙江創投(GSR Ventures)」、「周大福(CHOW TAI FOOK)」、エンジェルラウンドとシリーズAでも出資している「セコイア・キャピタル・チャイナ(紅杉資本中国基金)」。Aibee創業者兼CEOの林元慶博士によると、今回調達した資金は組織の拡大や事業の発展、ビジネスモデルの定着化の推進に充てる。

同社が2017年末の設立から2年間で調達した資金は累計1億7000万ドル(約180億円)を超え、企業価値10億ドル(約1100億円)以上の未上場企業ユニコーンに準ずる「次のユニコーン」の仲間入りを果たした。

林氏は機械学習とコンピュータービジョンを専門に研究しており、過去に「バイドゥ・リサーチ(百度研究院)」の院長を務めた経歴を持つ。18年11月にアリババグループの研究機関「阿里巴巴達摩院(Alibaba DAMO Academy)」の「決策智能実験室(Decision Intelligence Lab)」の責任者だった朱勝火氏がAibeeに加入。また最近は野菜ECサイト「美菜網(Meicai)」高級副総裁、SAP中国副総裁兼華北エリア総経理を務めた祁瑞峰(Ken Qi)氏も加わり、精鋭メンバーにより組織が強化されている。

19年の最大のブレークスルーは、大型商業施設と小売りブランドチェーンという二大分野で大規模に展開する条件が整い、急速な市場開拓が始まったことだと林氏は語る。

Aibeeが「従来型実店舗+AI」戦略をブレークスルーさせた二大分野

AIとオフラインの従来型実店舗の融合を選んだ理由について同氏は、オフラインの小売り業界には巨大な市場があり、AIによる高度化を図ることで大きな収益と価値を生み出すことが期待できると考えたという。AIは大量の学習用データを必要とするが、販売シーンや商品が豊富なオフライン店舗では、データの取得に困ることはない。

オンラインの電子商取引(EC)企業が消費者の全ての行動を詳細に観察し、ニーズの掌握に努めているのに対し、オフライン店舗は会員データ程度の情報しか把握できないため、オンラインとの全面的な連動は難しかった。同社のAI総合ソリューションは、大型商業施設であれば、車・人・商品・場所という側面から全面的にデジタル化し、ユーザー層や販売傾向を解析することで、経営戦略に役立つデータを提供する。具体的には次の通り。

■場所のデジタル化:3Dモデリングにより現場の状況を把握。

■人のデジタル化:コンピュータービジョンなどのAI技術によりフロアごとに客層を分析したデータ、仮想モデル構築による代替データなどを提供。多次元データを通じてニーズを高精度に予測し、顧客に最適のサービスを提供。

■商品のデジタル化:コンピュータービジョンやRFID(電子タグ)センサーの技術により、現場にある全商品を識別、アソシエーション分析を実施。

■車のデジタル化:駐車場の3Dモデリングと車両の移動軌跡データの解析により需要を予測、パーキング経営のために次世代スマートソリューションを提供。

AibeeのAIソリューションは現在、「芸術・人(文化)・自然」を融合させたショッピングモール「K11」や家具小売りチェーン大手「紅星美凱龍(Red Star Macalline)」、不動産系コングロマリット「万達集団(ワンダ・グループ)」など大手ブランド向けに展開しており、提携する大型商業施設の数は80を超える。また、8業種の小売りブランド16社とも提携している。

この大型商業施設におけるノウハウは、空港や観光施設の運営にも応用できると期待される。同社は既に200カ所近くもの観光施設と提携しており、10月の国慶節には65の観光地でそのソリューションが実用化された。北京や青島の国際空港とも提携合意に至っており、北京大興国際空港内の約200の小売店がAibeeのソリューションを導入している。
(翻訳:貴美華)

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