AI時代を生き抜くための「STEAM」教育が台頭 投資者も熱目線

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AI時代を生き抜くための「STEAM」教育が台頭 投資者も熱目線

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STEAM(Science=科学、Technology=技術、Engineering=工学、Art=芸術、Mathematics=数学)教育企業の「新工場創客教育(New Factory Maker Education)」(以下、「新工場」)は、最近エンジェルラウンドで数百万元(約数千万円)の資金調達を完了した。調達した資金はオフライン宣伝イベント「Get Maker」とSTEAM教育サービスのアプリの開発に使用される予定。

ここ数年、STEAM教育への投資が盛んになっている。「2018年児童教育投資融資報告」によると、2018年の1月から11月までの期間で、中国のSTEAM教育分野への投資金額が同時期の子供向け英語教育への投資を大幅に上回ったという。

中国の多くのSTEAM教育企業が主要大都市でサービス提供しているのに対し、新工場は地方都市からスタートしている。

創業当初、新工場は紙飛行機を入り口として、プログラミング教育サービスを提供していた。これは地方都市の親のSTEAM教育に対するニーズを反映している。即ち、簡便で勉強の成果が上げやすいことである。

同社はオフラインイベントで集めたトラフィックを利用し、STEAM教育分野のエコシステムを構築したいという。CEOの張建軍氏はスマホ大手の「小米(シャオミ)」のビジネスモデルを見習い、自社人気商品でトラフィックを集め、その上でソフトウェア、ハードウェアおよびレッスンでパートナーを集めることを目指しているという。

地方都市の親たちはSTEAM教育を求めている一方、受験勉強の時間を奪うことなく、かつコストの低いサービスを期待している。紙飛行機の製作はハードルが低く、安く、かつ楽しさがあり、競技もできる。地方の消費者にとって、最適なSTEAM教育の入門商品だ。

トラフィックを集めるもう一つの方法は、オフラインイベントの開催である。主に紙飛行機大会と体験イベント「GET MAKER」がそれにあたる。

GET MAKERは同社が2017年からスタートした体験イベントである。同種類のイベントの元祖である、技術と製造を融合させた「Maker Faire」が主にビジネス向けであるのと異なり、同社のイベントは主に幼稚園児と小学生向けである。イベントでは、親と子供は一緒に様々な科学技術体験イベントに参加でき、STEAM教育サービスの体験もできる。2019年のGET MAKERイベントには、20,000家族以上の50,000人超が参加し、現場で合計1000万元(約1.6億円)以上の売り上げを記録した。

同社は今年、ユーザーが15万から20万人前後に達すると見込んでいる。また、ユーザー集めおよびロイヤリティ獲得のために、知名度の高いSTEAM教育の講師とも契約をし、彼らのレッスンの一部を無料公開したり、割安なパッケージ販売を行ったりしている。更に、社外の講師が自分で開発したレッスンを販売できるプラットフォームを提供し、コンテンツエコシステムの構築に力を入れている。

同社は今年の3月に、AI教育の開発ツールを提供する予定である。計画によると、この商品はソフトウェア、ハードウェア、およびレッスンを含む包括的なソリューションであり、STEAMレッスンの開発能力がない業者をサポートできるという。

収益の獲得については、同社は主にオフラインイベントを通じたサービスの販売、およびイベント入場料をメインとしている。今後の目標は、入場無料にし、教育サービスの売り上げから一定の割合を収入とする方式にしたいという。

中国のSTEAMレッスンはまだ通常の学校教育に浸透していない。主なレッスン内容はロボット、子供向けプログラミング、3Dプリントなどである。2018年以降、STEAM教育分野での投資は急成長したが、2019年には大きな増加はなかった。

同分野の大手「寓楽湾(stemedu.cn)」が昨年5月にシリーズC+での資金調達を完了した。現在、同社のオンライン学習プラットフォームのDAU(1日当たりのアクティブユーザー)は20万を超えているという。また、報道によると、もう1社の大手「Makeblock」は2019年にレッスンコンテンツの研究開発に注力し、学校のクライアントを多く獲得したという。

中国では、STEAM 教育の展開期間がまだ短く、今後の市場の成長は主に浸透率の向上にかかっていると思われる。これまでの数年は、多くのSTEAM教育企業が設立され、最近資金調達を受けた企業には、新工場以外に、「唯科楽(wklstem)」、「瑪塔創想(Matatalab)」等がある。

(翻訳:小六)

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