ビリビリ動画、初の年越しライブ番組再生数8400万回 Z世代に刺さった訳とは

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ビリビリ動画、初の年越しライブ番組再生数8400万回 Z世代に刺さった訳とは

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中国超人気の動画共有サイト「ビリビリ動画(bilibili)」が2019年12月31日夜、初の試みとなる年越しライブ番組を放映した。

夜8時に開始した番組では、中国を代表する五弦琵琶の奏者である方錦龍氏とバーチャルシンガー洛天依(ルォ・テンイ)のコラボ、人気テレビドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」に登場するドラゴンのビジュアルエフェクト、軍事ドラマ「亮剣」の出演俳優による主題歌の披露など、数々の演目が3時間にわたり繰り広げられた。

「ゲーム・オブ・スローンズ」の主題歌を演奏する有名チェロ奏者ルカ・スーリッチ氏

結果としてビリビリ初の年越しライブは反論の余地がないほどの大成功を収めた。放送後20日を経過した時点での番組再生回数は8300万回に迫り、投稿された弾幕コメントは約280万件に達しており、7万人超の視聴者が10点満点中9.9点という超高評価を下している。中国版ツイッター「微博(ウェイボー)」の関連トピックに寄せられたコメントも、ほぼ全てが賞賛の声で埋め尽くされている。こうした流れを受けて同社の株価までもが大きく値上がりし、1月2日の終値は12.51%高の20.95ドル(約2300円)に達した。

ビリビリユーザーの気難しさは定評となっている。同社の目論見書によれば、ビリビリユーザーの82%は1990~2009年生まれのいわゆる「Z世代」であり、手厳しい審美眼、ニッチな趣向、自己表現や他人に対する評価への熱心さがこの世代の一般的な特徴だ。

「こうした個性の強いユーザーに向けたライブの企画は大変難しかった。彼らはビリビリとは何かを知り尽くしており、彼らこそビリビリの主人公だからだ」。年越しライブの総監督を務めた宮鵬氏はこう語る。

とはいえ、彼らが共通の嗜好を持った観客であることは間違いないため、実際には企画がきわめて進めやすいという側面もあった。全ての年齢層や社会階層の好みに応えるのは困難だが、ターゲットが特定のグループとなればかえってやりやすいからだ。

若者に「刺さった」訳とは

ビリビリの年越しライブ成功の要因としてまず第一に挙げられるのは、彼らだけが理解し、彼らだけが好むコンテンツのみが選ばれた点だ。年越しライブは合計35のプログラムを含み、そのうち11プログラムは、オンラインゲーム「ワールドオブウォークラフト」や映画「ハリー・ポッター」、日本のアニメ「NARUTO -ナルト-」などのIPコンテンツと関係したものだった。「一家団欒での年越し」を想定して他チャンネルで放映される特別番組では、ゲームやアニメといったテーマが扱われることはほぼない。

中国の若者は、かなり前から旧態依然とした年越し特番に苦手意識を抱いている。親世代向けのけばけばしいステージや聞かざるを得ないヒットメドレーは、普段は交流のない親戚からの質問攻めと同様、若者には重く疲れるものだ。

年越しライブのもう一つの成功要因は、大勢に好まれる演出方法を用いてニッチなテーマを扱ったことだ。舞台には2000以上のスクリーンに加え、火炎放射器、花火、ドライアイス、紙吹雪、ライティング、昇降機など、他チャンネルの年越番組にも劣らない各種舞台芸術が駆使された。

こうした演出に加え、北京五輪開会式・閉会式の音楽チームの主要メンバーだった趙兆氏が音楽監督兼指揮者として迎えられたほか、靳海音弦楽団や新九州愛楽楽団が主要プログラムの演奏を行った。

方錦龍氏とバーチャルシンガー洛天依が「茉莉花」を披露

ビリビリの昨年第3四半期の財務報告書を見ると、月間アクティブユーザー数(MAU)は1億2800万人、1日あたりアクティブユーザー数(DAU)は3760万人、1日平均視聴回数は7億3000万回、1日平均使用時間は83分に達している。

中国には特定層向けのニッチな年越し番組が少なすぎる。ビリビリが今回実施したような番組スタイルは、今後の一種のトレンドになるだろうか。宮鵬氏はその可能性もあると述べる。だがビリビリのようなコミュニティはそう多く存在しないのも事実だ。
(翻訳・神部明果)

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