メキシコ食料品ECの「Jüsto」、シードラウンドで11億円を調達 ラテンアメリカの巨大市場に挑む 

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メキシコ食料品ECの「Jüsto」、シードラウンドで11億円を調達 ラテンアメリカの巨大市場に挑む 

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メキシコは人口1億2700万人で、ラテンアメリカではブラジルに次ぐ第2位の市場だ。国連ラテンアメリカ・カリブ経済委員会(ECLAC)の予測によると、2050年までにメキシコの15~59才の労働力人口は136%に増えるが、ブラジルの労働力人口は2%減となるという。

これだけの人口があることから、メキシコは消費者向けビジネス(2C)の良き実験場とされている。なかでも、ニューリテールでよく見られるオンライン食料品ビジネスは、メキシコで成長を続けている。市場調査会社「Euromonitor International」によると、食料品支出がメキシコの消費者総支出の23%を占めるという。また、同分野のターゲット消費者の分布も比較的集中している。79.8%のメキシコ人が大都市もしくは人口が10万人超の都市部に生活しているため、配送コストを抑えられるのだ。

2019年5月に設立されたネットスーパー「Jüsto」は、品質の高いサプライヤーとの連携を通じ、生鮮食品の産地直送を実現し、メキシコのホワイトカラー向けに新鮮な野菜・青果を提供している。会社の創業者兼CEOのRicardo Weder氏によると、現在、同社のオフィシャルサイトには、4000以上のSKUがあり、果物、野菜、精肉、卵、水産品、乳製品、菓子類、アルコール飲料、冷凍食品、および日用雑貨等をカバーしている。サービスを開始して5か月間、月次売上高が毎月倍増している。

地元の中小企業に販売ルートを提供する以外に、Jüstoはネスレなどのグローバルブランドやラテンアメリカの有名ブランドと提携関係を構築している。また、同社は自社製品の開発にも注力し、今後は販売する品物の50%を自社製品にする予定だという。同社は現在、ラテンアメリカの宅配アプリ「Rappi」および一部ECサイトに出店し、 それらのトラフィックを利用し低コストでの集客を目指している。

また、Jüstoは現在、自社倉庫を設置し配送システムを築いている。倉庫は住宅街に拠点を置く分散型倉庫とし、配送には即時配送、当日配送、翌日配送という複数の選択肢がある。

Weder氏によると、メキシコの消費者には2週間ごとにまとめて買い物する習慣があるため、Jüstoの平均客単価は比較的高く、オフィシャルサイトの配送最低購入金額は250メキシコペソ(約13.30ドル、約1500円)である。

また、OECDのデータによると、メキシコのオフライン食料品市場では、ウォールマート、「ソリアーナ(SORIANA)」および「チェドラウイ(Chedraui)」の3社が90%のシェアを占めている。こうした大手スーパーもオンラインに進出しているが、オンラインのみで食料品を販売する企業はこれまで「Cornershop」1社しかなかった。昨年10月、ウーバー(Uber)がCornershopの過半数の株式を買収することとなり、今年の初頭に取引完了の見込みである。

しかし、JüstoはCornershopをライバル視していない。Weder氏によると、Jüstoのポイントは自社在庫を保有することだという。それに対し、Cornershopは注文を集め、その後オフラインの小売業者に発注し、配送を依頼する方式であるため、自社在庫を持つJüstoがCornershopの潜在的提携先になる可能性の方が高く、ライバルになる可能性は低い。

商品の価格について、Jüstoは従来のスーパーとほぼ同様またはより低い価格を維持すると同時に、よりよい品質を保証している。一方、Cornershopはスーパーの小売価格に6%~18%の手数料を上乗せしている。

レモンの価格の比較 左1と左2の図はCornershop、右1と右2の図はJüsto(提供:Weder氏)

昨年11月、Jüstoは「Foundation Capital」がリードする1000万ドル(約11億円)のシードラウンドの資金調達を完了し、ラテンアメリカ市場で最大規模の資金調達の一つとなった。「Quiet Capital」、「Mountain Nazca」、「Vas Ventures」、「500 Startups」等も出資した。Jüstoはプレシードラウンドでの資金調達も行っているが、金額は非公開だった。

(翻訳:小六)

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